シニアの犬、猫で注意すること

シニアの犬、猫で注意すること

公益財団法人 日本動物愛護協会

相談室長 動物看護士 大橋志保

シニアの犬猫

シニアの犬、猫で注意すること

日本動物愛護協会(JSPCA)で行っている長寿表彰では、平成27年度167頭もの17歳以上の犬猫を表彰しました。最高齢は犬猫共に25歳というご長寿さんも!犬や猫も長生きになってきています。犬や猫も私たち人間と同じく歳をとります。一緒に暮らす犬猫が元気で、1日でも長く過ごせることは飼主さんにとって何よりもうれしい、幸せなことです。「家族の一員」として、適正飼養・健康管理がしっかり行われるようなった結果だと思います。

動物の愛護及び管理に関する法律でも、「終生飼養」が明記され、最期まで責任と愛情をもって飼育することが謳われています。しかし犬猫の長寿に伴い飼主自身の高齢化問題で、老老介護となるケースも珍しくはありません。

シニアの犬、猫の体の変化

人間同様、ペットも避けて通れないのが老化現象です。7歳が健康上の大きな節目ともいわれシニア期に入ります。白髪が生えたり、老眼、嗅覚の低下、難聴、動きの鈍りなど、人間同様の変化が現れます。我家の愛犬も11歳を過ぎ、背中には白髪が目立ち、目も白く濁り、耳も遠くなり、寝ている時間が増えました。まだ11歳ですが人間の年齢に換算すると、還暦を迎える頃です。「まだ」では「もう」なのかもしれません。

     

安全な住環境作り

犬や猫は高齢になると、一日の大半を寝て過ごすようになります。そのため飼主さんは不調や変化に気づきにくくなるので注意しましょう。体温の調節機能も低下するため、室温を調整してあげましょう。若い頃に比べて、快適な場所を求めて活発に移動することも減ってきます。また、高齢になるとふんばりが効かなくなり足腰に負担をかけます。フローリングにはカーペットやマットを敷いたり、肉球の周りの毛をカットし、滑らない工夫をしましょう。白内障などで目が見えにくくなっている場合は、室内の模様替えも出来る限り控えましょう。今まで上がれていたベッドやソファには踏み台やスロープなどを置いて、そこから乗り降りするように教えてあげましょう。猫のトイレにある段差も高齢猫にとっては負担となるので、段差の少ない浅いトイレに変えるとよいでしょう。

シニア向けの食事

高齢になったら消化のよい高齢用の食事を用意しましょう。食欲が落ちたら、まず病気を疑い、病気の早期発見に努めましょう。病気にかかっていないのに、食が細くなってきた時は、嗅覚の衰えが原因の可能性があります。少し温めると風味がでます。

高齢になると、首(頭)を下げて食べる姿勢が負担になることがあります。首を伸ばして立ったままや座った状態で食べられるように、食器を台の上に乗せて与える工夫も必要です。

散歩(犬の場合)

散歩は気分転換になるので、体調のよい時は短時間でも行うとよいでしょう。足腰が弱ってきた場合は、飼主さんが支える補助付きハーネスを利用したり、抱っこかキャリーカートなどに乗せてあげる方法もあります。

シニアの犬、猫の介護

一昔前と比べて、今は様々な介護用品もでています。ほんの少し工夫するだけで、飼主さんの負担を軽減させ、犬猫たちも快適な暮らしになります。ペットの介護を続けていくには、飼主さんがストレスをためないことが大切です。一人で抱え込まずに、家族の協力や獣医さんに相談をしたり、周りの人と情報交換をすることが必要不可欠となります。その家族によって介護にかけられるお金も時間も異なるので、その中で可能な限りベストを尽くことが大切となり、周りと比べることではありません。

まとめ

長寿表彰をしたある飼主さんがおっしゃっていました。              

 「沢山の病気も、痩せた身体も可哀想とは思いません。全てはここまで長生きしてくれた証!と誇りに思います。過保護になり過ぎない老齢ケア、出来る事は無理のない範囲で全てやる!をモットーに、日々感謝しながら後悔のないように過ごしています」と。

20歳を超えるご長寿さんもいれば、残念ながら若くして命を全うする犬猫もいます。一緒に過ごせる時間は限られています。さて、皆さんはどう過ごされますか?

*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。

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