シニア猫を飼う時の注意点・対策(フード、運動、サプリメント)【獣医師執筆コラム】

シニア猫を飼う時の注意点・対策(フード、運動、サプリメント)

シニア猫

森のいぬねこ病院グループ院長

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会所属

西原 克明(にしはら かつあき)先生

猫がシニアを迎えると、腎臓の機能低下など様々な病気が見られるようになります。また、一見ただの老化現象に見えるようなことも、実は病気が隠れていることも。

今回はシニアの猫が元気に長く暮らせるために、チェックしていただきたいポイントについてお伝えします。

シニアは何歳から?猫にとってシニアになるということは

シニア猫

人間と同じように猫も年をとるに連れて、いわゆる老化現象が見られるようになります。では、一体何歳からシニアになるのでしょうか?

実は、猫において『シニア』という言葉の正確な定義はまだありません。キャットフードなどでは、シニア用のフードには「◯歳以上から」というような表記もありますが、あくまでメーカー各社が独自で定めたものになります。

個人的には、心身の衰えは一頭一頭で異なりますので、一律の年齢で考えるのではなく、それぞれの猫の健康状態をチェックした上で判断することが重要だと考えています。

多くの猫は、シニアと判断した場合、シニア用、あるいは腎臓病用の療法食などシニアに多くみられる病気に配慮したキャットフードに切り替えることが多いと思います。

しかし、それらのキャットフードの中には、活発に運動する猫にとっては、栄養バランスのよくないものもあります。

その場合は、キャットフードによって逆に健康を害してしまう場合もありますので、やはりシニアの見極めは年齢ではなく、体の状態をチェックした上で判断するようにしましょう。

シニアになると、運動量が減ったり、毛色が薄くなるなど、様々な変化が生じます。しかし、中には一見、高齢猫の変化と思われるようなものが、実は病気の症状だったということもありますので、体調の変化に気づいたときは、きちんと動物病院を受診するようにしてください。

歳をとったなあと感じたときは要注意!!

チェック

多くの方は、年をとった猫が活発さがなくなり、寝ている時間が多くなったりすると「年をとったなあ」と感じるようになると思います。しかし、実は猫が寝ている時間が増えるというのは、他の病気が隠れている可能性もあるので注意が必要です。

最近の研究では、12歳以上のシニア猫をレントゲン検査してみたところ、実に90%以上の猫で、何かしら関節に異常を認めた、という報告もあります。

このように実は猫には『隠れた関節の病気』が多く存在していると思われます。つまり、寝ている時間が増えている猫や、活発さがなくなってきた猫では、たとえ他に何の症状がなくても、実は関節の病気を抱えているかもしれないのです。

以前よりも寝ている時間が多くなった、高いところの上り下りをあまりしなくなった、おもちゃや動くものを追いかけなくなった、段差を越える動きがゆっくりになった、こういった症状が見られるようになったら、一度関節の問題を疑うようにしてください。

もし、あなたの猫に関節の問題が見つかった場合、見た目には大丈夫そうに見えても、猫には『痛み』が存在します。あなたからは痛がっているようには見えなくても、猫にとっては辛い症状ですので、できるだけ早期発見ができるように努めましょう。

シニアに多く見られる関節の病気は、ほとんどが慢性の関節症なのですが、関節症はお薬やサプリメントを使うことで、かなり元気を取り戻せるようになります。また、体重や食事管理、運動管理をしっかり行うことで、元気な時間をより多く過ごせるようになります。

シニア猫に最も多くみられる病気『慢性腎臓病』とは

猫メモ

シニアの猫で多く見られる病気の代表が『慢性腎臓病』です。以前は慢性腎不全と呼ばれていましたが、今は慢性腎臓病と呼ばれています。

慢性腎臓病では、たくさんお水を飲んでたくさん排尿する『多飲多尿』と呼ばれる症状や、体重減少、食欲減少などがみられるようになります。

しかし、これらの症状が見られたとき、あるいは血液検査で腎臓関係の数値に異常が見られたとき、実はその時にはすでに腎臓病がかなり進行してしまっており、腎臓の機能の70%以上が失われてしまっていると言われています。

そのため、猫の慢性腎臓病では、なるべく早期発見し、早期に治療を開始することが重要です。

そのため、ぜひシニアになったら行っていただきたいのが、定期的な尿検査です。もちろん健康診断自体も定期的に実施してあげることも大切なのですが、猫の中には検査中に暴れ出してしまうケースも多く、十分な検査が実施できないこともあります。

尿検査は自宅で採取できれば、猫に負担をかけることなく検査ができますし、また、血液検査や臨床症状よりも早い段階で慢性腎臓病を疑うことができます。

また、治療に関しては、完治させることが難しく、点滴や食事療法、飲み薬などを組み合わせて、なるべく進行を抑えたり、症状の悪化を抑えたりする治療がメインになります。

シニア猫にしてあげたいこと

飼い主

フード・肥満予防

肥満は関節への負担だけでなく、心臓や腎臓へも負担をかけますし、さらには糖尿病などの病気のリスクを高めてしまいます。また、現在では肥満は『肥満症』という立派な病気としても扱われています。

あなたの大切なパートナーが元気で長く暮らせるためにも、日頃からの体重管理はしっかりと行うようにしてください。

もし猫が太ってきた、あるいはすでに肥満でなんとか減量したい、と考えている場合は、動物病院に相談するようにしてください。

ただキャットフードを減らすだけでは、カロリーだけでなくタンパク質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養成分も減らしてしまい、逆に体に負担をかけてしまうこともあるため注意が必要です。

運動管理

運動

シニアになると、多くの猫が関節に異常を認めるようになります。一般的には関節症は完治させることが非常に難しいため、悪化させないようにすることが大切です。

基本的には明らかに足を上げたり、引きずったりなど負担が大きい時には、運動はさせずに、しっかりと休ませることが大切です。

しかし、そこまでの負担がない場合は、逆に関節を守るために適度な運動が必要で、その運動量の加減が非常に難しく、一頭一頭様子を見ながらの判断になります。

基本的には猫本人が動きたいペースに合わせることが大切ですが、場合によっては、遊びを取り入れるなどの工夫が必要になることもあります。

デンタルケア

歯磨き

猫は口内炎や歯周病が非常に多い動物で、中には痛みが強く、食欲がなくなってしまう猫もいます。

また、口内炎や歯肉炎の中には、なかなか治療で改善しない『難治性』と呼ばれるものもあり、そう言った場合は、全ての歯を抜歯するなど大掛かりな治療が必要になることもあります。

歯周病に関連する病気の場合は、その治療に全身麻酔での歯科処置が必要になります。

しかし、シニアの猫に多く見られる慢性腎臓病は、麻酔のリスクを高めますので、シニアになったら、腎臓の機能が落ちる前に、積極的にお口の処置を進めてあげるようにしてください。

日頃の症状チェック

健康管理

前述の関節や腎臓の病気など、シニアの猫では慢性的な病気が見られるようになります。しかし、これらの病気は、最初の頃は病気に気づかず進行してしまうことがほとんどですので、なるべく早期に発見してあげることが重要です。

普段の生活の中で、お水や尿の回数や量、日常の動作、眠っている時間、食べる時間や食べこぼしがないか、口を気にしている様子はないかなど、全て一度にチェックすることは難しいですが、毎日少しずつ見てあげるようにしてください。

これら日頃のチェックポイントについては、動物のヘルスケアの推進している『Team Hope』という獣医師グループのホームページに詳しく掲載されていますので、ぜひチェックして見てください。難しい方は、お近くのTeam Hope賛同病院にご相談いただければと思います。

また、ご自宅でのチェックだけではどうしても全ての病気を発見することは難しいので、ぜひ動物病院での定期的な健康診断も受けられることをお勧めします。

サプリメントの導入

シニアになると、関節や腎臓など、ある程度目に見える病気も増えますが、それだけではなく、免疫など目に見えない機能も衰えてきます。

何かしらの症状や検査での異常がある場合は、やはりお薬でしっかりと治療することが大切ですが、免疫機能の低下など、一見すると異常が見えないものに対しては、サプリメントをお勧めしています。

ただし、猫のサプリメントは、様々な品質のものが混在しているのが現状です。導入する際には、しっかりと高い品質のサプリメントを見極めることが重要です。

サプリメントの選び方には様々な基準がありますが、最低限のポイントとして、『原材料が高品質』『余計な添加物を使用していない』『学術情報が豊富』といったところをチェックするようにしてください。

シニア猫を飼う時の注意点・対策のまとめ

シニア猫の衰えは、なかなか気づきづらいため、日頃から猫の健康状態をこまめにチェックしてあげることが大切です。

また、老化現象だと思っていたら、実は関節や腎臓の病気だったということもありますので、何か気になることがあれば、早い段階で動物病院での診察や検査を受けるようにしてください。

そして、なるべく元気に過ごせるように、機能性のあるサプリメントの導入も考えてあげてください。

執筆者

西原先生

西原 克明(にしはら かつあき)先生

森のいぬねこ病院グループ院長

帯広畜産大学 獣医学科卒業

略歴

北海道、宮城、神奈川など様々な動物病院の勤務、大学での研修医を経て、2013年に森のいぬねこ病院を開院。現在は2病院の院長を務める。大学卒業以来、犬猫の獣医師一筋。

所属学会

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会、獣医麻酔外科学会、獣医神経病学会、獣医再生医療学会、ペット栄養学会、日本腸内細菌学会

サンプルプレゼント【今だけ、先着300名様に味見用サンプルを無料でプレゼントしています】

動画で解るアガリクス【動画で解るアガリクス】

マンガで解るアガリクス【ペットの免疫力が心配な方はコチラをクリック】

マンガで解るアガリクス【ペットの皮膚・毛並み、足腰が心配な方はコチラをクリック】

マンガで解るアガリクス【ペットの下痢・便秘、食欲不振、元気がないのが心配な方はコチラをクリック】