ビーグルのマラセチア皮膚炎の原因・症状・治療法【動物看護士執筆】

執筆者:山之内さゆり先生

動物看護士・トリマー

ビーグル

ビーグルのマラセチア皮膚炎とは

スヌーピーのモデルにもなっているビーグルですが、実はマラセチア皮膚炎になりやすい犬種でもあります。

そこで、今回はビーグルのマラセチア皮膚炎の原因・症状・治療法についてそれぞれご紹介。

もしもビーグルがマラセチア皮膚炎になってしまっても正しく対処できるように、ぜひ参考にしてみてください。

ビーグルのマラセチア皮膚炎の原因

ビーグルのマラセチア皮膚炎の大きな原因は皮脂の分泌量が多いことにあります。

もちろん、そのほかにもいろいろな原因となるものはありますが、ビーグルの体質的に皮脂の分泌量が多いのが悩み。

マラセチア皮膚炎はマラセチア酵母菌が異常に増えることで皮膚に悪さをし、さまざまな症状を引き起こします。

そして、ビーグルのマラセチア皮膚炎を引き起こす原因となりやすいものが皮脂の分泌なんです。

また、皮脂の分泌量が多いというと皮脂を取り除くことに必死になってしまいがちですが、余分な皮脂を取り除き必要な皮脂は残すということをしなければ逆効果。

特にビーグルが皮脂の分泌量が多い理由として、皮膚が乾燥しやすい子が多いということも挙げられます。

皮膚の乾燥から肌を守るために皮脂の分泌量が多くなるので、その点に関しても対処する必要があるのです。

ビーグルの過剰な皮脂の分泌を抑えるには保湿が大事

ビーグルの皮脂が過剰に分泌される原因として多いのが乾燥であるとお話ししましたが、そのために大事なのは保湿です。

乾燥しているかどうかを見極めるためにはフケがあるかどうか?もしくはフケが出るまでには至ってないが、少し白っぽくなりかけているか?といったところを見る必要があります。

ただし、明らかなフケであれば飼い主さんの目でもわかるのですが、若干乾燥しているかな?くらいのフケにはまだなりきっていない状態だとかなりわかりにくいものです。

ですので、現時点で乾燥しているのであれば当然ですが、乾燥していなかったとしても保湿をしてあげることをおすすめします。

人間の肌も同じですが、日頃からしっかり皮膚が保湿されていれば皮膚のバリア機能も高くなるため、外部からの刺激に対して強い状態でいることが可能です。

また、バリア機能が高くなることでアトピー性皮膚炎の予防や抑制にもなるため、皮膚の状態が乾燥していなくても保湿を意識してあげるといいですね。

ビーグルの皮膚を保湿する方法

ビーグルの皮膚を保湿する方法として一番簡単なのは、洗い流さないトリートメントを保湿クリームと同じような感覚で使ってあげたり、シャンプーの際は保湿系のシャンプー剤を使用するといった方法です。

ただ、こうした皮膚の保湿を考えたシャンプーやトリートメントをトリミングサロンや動物病院で必ず扱っているわけではないので、予約を取る前に聞いてみることをおすすめします。

また、自宅で洗ってあげるときも保湿系のシャンプーやトリートメントを使ってケアをしてあげるのもおすすめですが、ひとつ注意が必要です。

それは、しっかりドライヤーで乾かしてあげるということ。ビーグルは毛が短いのですぐ乾くと思いがちですが、ビーグルの太くて硬い毛質はすぐ乾くどころか逆になかなか乾きません。

マラセチア酵母菌は湿度の高い状態を好み増殖するため、たとえ保湿を考えてシャンプーをしてあげたとしても、その後のドライヤーがしっかりできていなければマラセチア酵母菌にとって好都合です。

乾いたか乾いてないかの判断がしにくいかも知れませんが、しっかり乾いていたら触ったときしっとりとして冷たい感じがせず、サラサラとしているのでそれで判断してみてください。

ビーグルのマラセチア皮膚炎の治療法

ビーグルの皮膚を保湿してバリア機能を高めてあげることで刺激に強い皮膚を作ることはできますが、それでも免疫力の低下や他の病気などが引き金となってマラセチア皮膚炎になることもあります。

ただ、マラセチア皮膚炎になってしまった場合、基本的な治療法は同じで、あとは大元となっている原因を一緒に治療することがとても重要です。

では、具体的にどのような治療法を行なうのかご紹介しましょう。

マラセチア酵母菌の殺菌

まずは増えすぎたマラセチア酵母菌を殺菌して減らすことが第一です。方法としては、抗菌剤の投薬や専用の薬用シャンプーを使って外側と内側から治療をします。

また、マラセチア皮膚炎に使う薬用シャンプーは市販では売られていませんし、ましてや自己判断で購入することはできません。

必ず診察を行ないマラセチア皮膚炎と診断されたうえで、獣医師から初めて処方されるものになります。

ネットでも販売されているのを見かけますが、自己判断で購入・使用してもし間違った選択だった場合、皮膚の状態が悪化するだけでなく体調にも影響を及ぼす可能性も。

そんなことにならないよう、絶対に自己判断での購入・使用はやめましょう。

基礎疾患の治療

基礎疾患とはマラセチア酵母菌が増殖する引き金となっている原因の病気(疾患)のことです。

ビーグルは皮脂の分泌が多いとお話ししましたが、その根本にあるのは乾燥肌が原因となっていることが多いので、まずは乾燥肌を改善させる必要があります。

また、食物アレルギーであれば食事をコントロールしたり、内臓疾患があればその内臓疾患を治療するなど、マラセチアを増殖させて発症させる可能性をとことん消していくのです。

ビーグルの皮膚を強くしてマラセチア皮膚炎を予防するための方法

ビーグルがマラセチア皮膚炎にならないために予防できることがあるとすれば、それは体全体の免疫力を高め、マラセチア酵母菌が増殖しにくい環境を作ってあげることに限ります。

そのためにも皮膚の保湿やアレルギー対策などをおすすめしましたが、できれば合わせてサプリメントを使うのも効果的です。

サプリメントは薬ではないため飲み合わせの心配を気にする必要がほとんどありませんし、免疫力を上げることで体の内側から皮膚環境を整えることができます。

また、マラセチア皮膚炎に限らず体全体の免疫力がアップすれば健康の維持にも大きく役立

つので、病気にも強い体づくりにもなりますね。

サプリメントと一口に言ってもいろいろありますが、免疫力を高めることを目的としたサプリメントでなおかつ質の高いサプリメントを選ぶようにしましょう。

免疫力を高める!と書いてあっても、使われている原料が粗悪なもの(質の悪いもの)であれば意味がありませんし、逆に体の抵抗力が落ちているときに飲ますとアレルギーを起こしてしまう可能性もでてきます。

少なくとも市販で売られているような極端に安いサプリメントはあまりおすすめはできません。

選ぶ際には一度動物病院へ相談するかパンフレットなどで実績がわかるものを試してみるなど、信用性の高いものを選ぶようにするといいですね。

ビーグルのマラセチア皮膚炎の原因・症状・治療法まとめ

ビーグルは皮脂の分泌が多いうえに乾燥肌の傾向があるため、どうしてもベタつきと乾燥の予防・改善の両方からアプローチする必要があります。

また、ベタつきや乾燥が目立たないビーグルの子であっても、皮膚環境はいろんなタイミングで変化していくため、日頃のケアがとても重要です。

そのためにもお手入れのときに使うシャンプーを保湿性のある物にしたり、毎日の食事にサプリメントをプラスするなどして、体の外側と内側からマラセチアに強い体づくりができるといいですね。

執筆者:山之内さゆり先生

山之内先生

トリマー、動物看護士

10年間動物病院でトリマー兼動物看護士として勤務。

現場で得た知識と経験を情報として発信し、飼い主さんとペットが幸せに暮らせるためのお手伝いをしていきたいと思います。

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