これから増えてくる犬の痒い皮膚炎や外耳炎(マラセチアなど)について【獣医師執筆】

犬の痒い皮膚炎や外耳炎とは

犬

森のいぬねこ病院グループ院長

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会所属

西原 克明(にしはら かつあき)先生

ジメジメした時期になると増えてくるのが、皮膚と耳の病気です。実際の動物病院でも来院数が圧倒的に増える2大疾患です。そこで今回は、梅雨の時期に多くみられる皮膚と耳の病気についてお伝えします。

梅雨の時期に気をつけたい犬の皮膚と耳の病気

梅雨の時期になると、環境的には、
◆気温が上がる
◆湿度も上がる
◆植物がよく育つ
◆カビや雑菌が繁殖しやすくなる

こういった変化が見られるようになります。また、犬も冬毛から夏毛に変わる時期とも重なるため、これらの要因が重なって、皮膚のトラブルが多くなりがちです。

もともと皮膚や耳がデリケートな犬は、健康な犬よりも肌刺激が敏感なため、体が温まると痒みが強くなりがちです。そのため、気温が上がる梅雨時期は、痒みが強く出ることがあります。

また、犬の皮膚に痒みが見られると、少なからずそこに炎症反応が起こります。その結果、皮膚のバリア機能が低下し、角質や皮膚の常在菌のバランスが崩れ、ベタベタ肌やカサカサ肌、あるいは湿疹のような皮膚炎が発症してしまいます。特に、湿気の多い梅雨の季節は、そういった犬の皮膚コンディションが低下しやすいと考えられています。

さらには、アレルギーを持つ犬では、カモガヤなどこの時期に多く見られる植物、あるいはカビなどの微生物に反応して、皮膚炎や外耳炎が悪化することがあります。

こういったことから、梅雨時期には皮膚や耳のトラブルが多くなり、発見や治療が遅れると、どんどんと悪化してしまいます。

梅雨時期の痒みは環境のせいなの?

上記のように、梅雨の時期は犬の皮膚や耳のコンディションが悪化しやすいのですが、実は環境が原因なのではなく、犬自身の体質が原因なのです。

もちろん梅雨時期でも皮膚や耳のトラブルなく、健康に過ごす犬もたくさんいます。この時期に悪化してしまうのは、もともと皮膚のコンディションが良くないためだと思われます。

したがって、正しい体質改善やスキンケアに取り組めば、皮膚や耳がデリケートな犬でもある程度のコンディションの維持は可能だと考えます。

耳が垂れた犬や毛量が多い犬は、外耳炎や皮膚炎になりやすい?

よく、「耳が垂れている犬は外耳炎になりやすい」「毛が密集して生えている犬は皮膚炎になりやすい」という話を聞きます。もちろん、耳が垂れていると、耳が塞がり、風通しが悪くなるため、カビや細菌が増殖しやすい環境であります。

しかし、筆者個人的な経験では、コッカースパニエルやキャバリアなど、耳が垂れている犬種でも、梅雨時期を健康に過ごす犬もたくさんいます。また、シーズーやポメラニアンなど、毛が多い犬種では、サマーカットやテディベアカットにせず、逆にしっかりと毛を伸ばし、きちんとお手入れしている犬の方が、皮膚のトラブルが少ないと考える獣医師もいます。

そのため、耳が垂れていたり毛が多い犬種でも、梅雨時期の耳や皮膚のトラブルを諦めるのではなく、しっかりと根底にある原因を調べていくことが重要です。

梅雨の時期によく見られる犬の皮膚病と耳の病気ベスト3

膿皮症、細菌性外耳炎

細菌感染による犬の皮膚炎と外耳炎です。犬の膿皮症や細菌性外耳炎に見られる細菌のほとんどは、他の犬などから伝染してきたものではなく、もともとその犬の皮膚に存在しています。

それが、何らかの原因で皮膚のバリア機能や耳の粘膜のバリア機能が低下し、犬の常在菌のバランスが崩れ、その結果、炎症を引き起こす細菌が増殖し、発症します。

犬の膿皮症では、体の様々な部位に痒みや脱毛、湿疹が見られるようになります。しかし、後述するマラセチア性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など、他の皮膚病と併発して見られることもあるため、その症状は実に様々です。

一方、細菌性外耳炎では、強い痒みとともに、悪臭と膿性の液体が見られるようになります(化膿性外耳炎とも呼ばれます)。

膿皮症の治療は、抗生物質の飲み薬や塗り薬で治療します。また動物病院によっては細菌感染に効果のある薬用シャンプーを用いた薬浴も併用することがあります。

犬の膿皮症の中には、皮膚の深いところまで細菌が侵入することがあり(深在性膿皮症)、その場合には、塗り薬や薬用シャンプーの効果があまりなく、飲み薬を長期間続ける必要があります。

また、細菌性外耳炎の治療では、主に抗生物質の点耳薬や飲み薬を使用します。また、病状に合わせて、かゆみ止めのステロイドなどが含まれた薬剤を使用することもあります。細菌性外耳炎では、中には緑膿菌という一般的な抗生物質が効きにくい細菌の感染も見られることが多く、注意が必要です。

これら抗生物質の治療にあたっては、適正な治療を行うために、細菌培養検査や薬剤感受性試験を実施し、適切に抗生物質を選択することが重要です。

マラセチア性皮膚炎、マラセチア性外耳炎

犬の皮膚や耳に常在するマラセチアという真菌(カビ)の一種が増殖することで引き起こされる皮膚炎と外耳炎です。膿皮症と同じく、犬のマラセチア性皮膚炎や外耳炎も、犬の皮膚のバリア機能および耳道粘膜のバリア機能が低下し、その結果としてマラセチアが増殖することで発症します。

マラセチアは、耳の中や足のパットの間など、毛が少ないところ、さらには肘や脇、首筋など皮膚同士が擦れやすいところ、さらにはベタつきの強い犬では背中などのベタつきのある場所で、痒みや湿疹が見られます。マラセチアの感染もやはり細菌感染やアレルギーなどが併発することによって、体の様々な部位で症状が見られます。

一方、マラセチア性外耳炎では、黒〜茶色の耳垢が多く見られ、膿性の液体が見られる細菌性外耳炎とは見分けがつきやすいです。ただし、外耳炎もマラセチアと細菌の混合感染もよく見られるため、見た目で判断せず、きちんと検査をした上で治療を行うことが重要です。

犬のマラセチア性皮膚炎では、抗真菌薬で治療を行います。抗真菌剤には、飲み薬、塗り薬、薬用シャンプーがあり、症状や状態に合わせて選択します。また、細菌感染を併発していたり、二次感染が予想される場合には、抗生物質を併用することがあります。

一方、マラセチア性外耳炎のほとんどは、抗真菌剤の他に消炎剤としてのステロイドと細菌感染対策のための抗生物質が混合した点耳薬を用いる場合が多く、さらには耳垢をしっかりと洗浄することが重要です。ただし、犬の耳道は奥深くまで続くため、綿棒などで耳垢をさらに奥に押し込まないように、さらには耳道粘膜を傷つけないように洗浄することが重要です。
耳垢が奥まで入り込んでいたり、再発を繰り返す場合には、麻酔下での耳道内視鏡による耳垢の除去処置が行われることもあります(耳道内視鏡を持つ施設に限られます)。

アレルギー性皮膚炎および外耳炎

犬のアレルギー性皮膚炎と外耳炎は、主にハウスダストやカビ、植物や花粉などの環境によるものと、食べ物によるものがあります。特に環境的な要因によるアレルギーは、季節によって症状の強さに差があり、特に梅雨時期では、イネ科植物に対するアレルギー反応が多く見られます。

また、食物に対するアレルギーを持つ犬では、季節に関係なく症状が見られますが、常に皮膚のコンディションが低下している状態ですので、暖かく湿った時期では、皮膚病が悪化しやすくなると考えられます。

アレルギー性皮膚炎は、主に擦過部位と呼ばれる皮膚が擦れやすい場所に症状が見られます。特に目の周り、耳、口の周り、肘、脇、足先、下腹部、お尻周りなどに多く見られ、1箇所だけの場合もあれば、複数か所に症状が見られることもあります。

アレルギー性外耳炎では、細菌やマラセチアの感染が併発していなければ、それらよりも耳垢の量は少ないことが多いです。ただし、ほとんどの場合は、やはり細菌やマラセチアの感染を併発しているため、それらと症状の見分けがつかないことも多いです。

犬のアレルギーは完治が非常に難しいため、原則的に治療は一生続ける必要があります。治療のポイントは、症状の緩和、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)の回避、皮膚や耳のコンディション維持です。

痒みなどの症状に対しては、ステロイドや抗アレルギー薬を使用します。これらの治療は痒みがしっかり治るため、つい「治った」と勘違いしがちになりますが、あくまで対症療法のため、薬をやめると症状が再発します。そのため、長期的な使用が必要で、ステロイドなどは長期使用で副作用のリスクが高くなるため、注意が必要です。

アレルゲンの回避については、血液によるアレルゲン物質を調べる検査に基づいて実施されます。食べ物に対するアレルギーは、それらを原材料に含まないドッグフードを用いたり、手作り食を食べさせることで管理します。しかし、ハウスダストなどの環境アレルゲンに対しては、完全に回避することができないため、こまめなお掃除や空気清浄機の導入など、できるだけアレルゲンを減らす対策を行います。

また、皮膚や耳のコンディション維持については、それぞれの犬に適した食事やサプリメントを導入し、体の内側から皮膚のコンディションを改善するアプローチと、シャンプーや保湿剤スプレーなど、体の外側からケアする方法があります。これらをうまく組み合わせることで、皮膚のコンディションを維持し、痒みなどの症状を軽減させることができます。

特にサプリメントの中でも、キングアガリクス は、その豊富な学術データから、再発を繰り返す膿皮症やマラセチア感染、アレルギーをもつ犬のスキンケアにも非常に役立つサプリメントで、当院でも積極的に取り入れていただいています。

梅雨の時期は小まめなお手入れと衛生環境の整備を

このように、梅雨から初夏にかけて、気温も湿度も上がる季節には、犬の皮膚病が多く見られるようになりますが、なかなか初期症状に気づきづらいことも多く、実際に筆者の動物病院でもかなり悪化してからの受診が目立っています。
そのため、できるだけ犬に辛い思いをさせないためにも、普段からの犬とのスキンシップやこまめなブラッシング、あるいはハウスやケージ、あるいはベッドなど、犬が過ごすスペースのしっかりとした衛生管理を行うようにしてください。

また、キングアガリクス のような皮膚のコンディション維持に役立つサプリメントは、症状が出てからではなく、日常で取り入れることで、よりスキンケアや感染に対する免疫力の維持に役立てるものと考えています。ぜひ日頃の食事に取り入れることをお勧めします。

犬の痒い皮膚炎や外耳炎とはまとめ

デリケートな皮膚や耳を持つ犬は、気温や湿度が上がる梅雨時期になると、コンディションが悪化しがちになります。中でも細菌やマラセチアの感染を繰り返したり、アレルギーを持つ犬は要注意。
この時期は、日頃からのスキンケアや生活上の衛生環境に注意し、皮膚や耳のコンディションが少しでも悪化した時は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

執筆者

西原先生

西原 克明(にしはら かつあき)先生

森のいぬねこ病院グループ院長

帯広畜産大学 獣医学科卒業

略歴

北海道、宮城、神奈川など様々な動物病院の勤務、大学での研修医を経て、2013年に森のいぬねこ病院を開院。現在は2病院の院長を務める。大学卒業以来、犬猫の獣医師一筋。

所属学会

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会、獣医麻酔外科学会、獣医神経病学会、獣医再生医療学会、ペット栄養学会、日本腸内細菌学会

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