ダックスフンドのマラセチア外耳炎とは?原因、治療法と予防するポイント【小動物看護士執筆】

ダックスフンドのマラセチア外耳炎について

執筆者:國澤莉沙先生

愛玩動物飼養管理1級、ホームドッグトレーナー1級、小動物看護士

はじめに

ダックスフンドはドイツが原産のアナグマ猟のために作出された猟犬です。最も特徴的なのは短足胴長の身体つきで、巣穴に入るためにこのような独特の体型になりました。

日本でも人気の犬種であり、トイ・プードルやチワワ同様飼育頭数が多いです。ダックスフンドは猟犬特有で人懐っこく、飼い主に忠実で活発な性格の子が多くしつけのしやすさや賃貸でも飼育しやすい大きさ(特にミニュア・ダックスフンド)が魅力の犬種でもあります。

そんなダックスフンドはロング、スムース、ワイヤーヘヤーの3種類の毛質があり皮膚のトラブルになりやすい犬種でもあります。

特にマラセチア外耳炎はたれ耳であるダックスフンドがかかることが多い皮膚炎の一つです。ダックスフンドがマラセチア外耳炎にかかってしまった際に注意したいことを紹介します。

マラセチア外耳炎について

皮膚のトラブルは動物病院の受診理由としても多いですが、中でもマラセチア外耳炎はポピュラーな皮膚炎であり、重症化すると治るのに時間がかかり、繰り返すことのある皮膚炎です。

マラセチア菌は常在菌で真菌の一種です。身体の抵抗力がなんらかの原因で低下し、耳の中で異常繁殖をおこしてしまい、炎症してしまうとマラセチア外耳炎になります。

通常はバランスを取っているので悪さをすることはありませんが耳道内に湿気がこもると菌が増えやすく、特に夏場や梅雨時期は要注意です。

主な症状とは?

耳道内でマラセチア菌が大量に繁殖してマラセチア外耳炎になると、べっとりとした黒い粘度の高い耳アカが出るようになります。奥まで炎症が進行してしまうと難聴や斜頸といった症状が見られます。

激しいかゆみを伴うので耳を激しく掻いてしまうと、傷口から二次感染を起こしてしまい膿や出血が見られます。炎症が酷くなると下痢や嘔吐などの症状が見られるようになり、命の危険もあるので早めに対処が必要です。

さらには、激しいかゆみのストレスから衰弱してしまうこともあり、注意が必要です。

最もこわいのは、三半規管や脳まで炎症が侵攻して歩行異常や眼振が起きて神経症状が出てしまい障害が残ることです。

ダックスフンドがマラセチア外耳炎にかかる原因とは?

マラセチア皮膚炎は全犬種かかる可能性があるポピュラーな皮膚炎ですので、さまざまな原因があります。特にマラセチア皮膚炎の原因になりやすいものを紹介します。

①湿気を溜め込みやすい

ダックスフンドはタレ耳がチャームポイントですが、たち耳の犬種よりも耳道内が蒸れやすく、菌が繁殖しやすい状況にあります。

湿気を溜め込みやすい環境にあり、ダックスフンドはオイリー肌の子も多いので皮脂などの菌が繁殖するのに必要なエサが豊富にあります。

日に一度は耳をめくって換気するようにしましょう。

②他の皮膚炎や病気

マラセチア外耳炎は皮膚のバリア機能が低下してしまい、身体の免疫力が低下するとかかりやすくなります。

甲状腺機能低下症や他の皮膚炎にかかると身体の菌のバランスが崩れやすくなり、マラセチア外耳炎になることがあります。

他の皮膚炎や病気が原因の場合は根本的な原因となっている病気の治療を行います。

③毛玉やブラッシング不足

ブラッシングは愛犬の健康状態を知るためにはとても大切なケアです。毎日行うことが重要であり、ブラッシング不足になると皮膚の新陳代謝が悪くなり、いつまでも古い被毛や角質が排出されずに不衛生な状態になり菌が増殖します。

さらに毛玉は菌の温床になってしまうのでさらにマラセチア外耳炎の原因になります。耳の周りには毛玉が出来やすいので、特に丁寧に観察してブラッシングしましょう。

特にワイヤーヘヤーのダックスフンドは毛質が固く、ロングのダックスフンドは毛玉になりやすいので定期的なブラッシングと皮膚のチェックは大切です。

スムースのダックスフンドは脂っぽくないかチェックするようにします。

マラセチア外耳炎の治療方法

マラセチア外耳炎になってしまった時の主な治療方法を紹介します。その子によって治療方法は異なるので、早めに動物病院を受診して獣医さんと相談しながら治療していきましょう。

マラセチア外耳炎の治療は異常繁殖してしまったマラセチア菌を少なくして耳道内の菌バランスを正常にすることがポイントです。

基本的には薬液を使用して耳掃除をして耳垢を除去します。ノルバサンイヤークリーナやエピオティック洗浄液といった薬液を使用して耳をもんでマッサージを行い耳道内の耳垢を浮かせて拭き取ります。

耳道内に傷がある場合には、抗生物質の外用薬を塗り込んで治療を行います。

耳掃除はコツがいるので、獣医さんにお願いするかしっかりと指導を受けてホームケアをしてあげるようにしましょう。

またバランスの良い食事を心がけて低下してしまった免疫力を高めることも大切です。

身体の免疫力を高めるためには?

身体の免疫力をアップさせるためにはサプリメントなどを上手に与えて、栄養バランスの取れた食事を与えることがポイントです。毎日の食事だけでは補えない栄養を手軽に摂取できます。

特に皮膚に良い効果が期待できるオススメなサプリは「アガリクス茸」を使用した商品です。

アガリクス茸には老廃物を吸着して身体からの排出を助ける効果が高いとされています。また、身体に必要なビタミン・ミネラル・酵素が豊富に含まれており、免疫力の向上に効果が期待できます。

人のサプリメントにも使用されているアガリスク茸の豊富な栄養素はわんちゃんにも有効です。

ダックスフンドがマラセチア外耳炎のときに気をつけたいこと

愛犬のダックスフンドがマラセチア外耳炎になったときに気をつけたいことを紹介します。お家でのケアの参考にどうぞ。

①飼育スペースを清潔に保つ

皮膚炎を発症しているときには免疫力が低下しているため他の病気を併発する場合があるので、注意が必要です。

特にマラセチア外耳炎は他の皮膚炎と併発しやすい面があります。治療とともに飼育スペースを清潔に保ってあげることが重要です。

飼育スペースに愛犬のフケや抜け毛があると菌が繁殖しやすくなります。飼育スペースの掃除、消毒を徹底して清潔に保つようにしましょう。

飼育スペースの消毒には次亜塩素酸水が有効です。次亜塩素酸は人のウイルス除去にも使用されているものですが、次亜塩素酸と水しか使用していませんので、わんちゃんが舐めても安心です。

②愛犬がストレスフリーで過ごせるようにしましょう。

マラセチラ外耳炎はかゆみが強く愛犬にストレスがかかりやすい皮膚炎です。掻かないようにエリザベスカラーなどを使用すると特にストレスから下痢や嘔吐、食欲不振などになってしまい、治りも遅くなります。

できるだけ愛犬のそばにいてあげてたくさん声をかけてあげましょう。なにより飼い主さんとのコミュニケーションは愛犬にとっての癒しになりますよ。

耳掃除を嫌がる子も多いので、おやつなどを使用して上手に行います。愛犬のベッドなどにはお気に入りのおもちゃや毛布をセットして愛犬が落ち着ける環境を作ってあげましょう。

③愛犬のペースで治療を

マラセチラ外耳炎は独特のにおいやベタつきがあるので、飼い主さんも気になってしまいます。炎症がひどいと触られるのを嫌がり傷口をケアしようとしたらガブリ!!なんて危険もあります。

普段から身体中どこを触っても嫌がらないように愛犬とコミュニケーションをきちんととって信頼関係を築いておくことが大切です。そして上手に治療させてくれたらたくさん褒めて嫌なことをしているのではないと愛犬に教えてあげることもポイントです。

もし、ストレスによる食欲低下などが見られる場合には焦らずに、なにより耳掃除を嫌がるようならば多少面倒でも動物病院に通って、プロにお願いするのが良いでしょう。

毎年梅雨〜夏にかけて再発しやすい外耳炎でもあるので、根気強く治療しましょう。

マラセチア外耳炎にならないために、予防や日ごろのケアのポイント

マラセチア皮膚炎にかかってしまった時の対処方法を紹介してきましたが、できれば日常から予防をしてこれらの皮膚病を避けたいものです。日頃からできるマラセチア皮膚炎の予防についてご紹介します。

①耳道内の換気を心掛ける

日常のケアに耳掃除をを取り入れて耳道内に湿気がたまらないように換気してあげることが重要です。

ブラッシングでは耳周りの毛玉対策をしっかりして、新陳代謝を活発にして古い被毛を落としやすくします。

また、日頃から耳掃除をしていれば愛犬の耳の健康チェックもしやすく少しの異常にも気づくことができるので、早めに対処することが可能です。

マラセチア外耳炎は重症化すると完治するまでに時間がかかりますが、早期発見することで愛犬のストレスを軽減して完治させることができます。

②普段から皮膚炎になりやすい場合は定期的な薬浴

マラセチア外耳炎にならないためには皮膚の黄金バランスを整えることが大事です。一度マラセチア皮膚炎や他の皮膚炎になると、再発しやすくらなります。

もともと皮膚が弱い愛犬は獣医さんに相談しながらノルバサンシャンプーやサルファシャンプーを使用して薬浴でケアしてあげると皮膚炎の予防になります。上記で紹介しましたが、薬浴は獣医さんの指示通りに行います。

③耳掃除は無理はせず、プロにお願いする

ダックスフンドは小型犬であり、耳道内も小さいので耳掃除もしにくいものです。無理やり耳掃除をしてしまうと傷ができてしまい、そこから炎症をおこしてしまうこともあります。

決して無理はせずに動物病院やトリミングサロンを利用して耳を清潔に保ちます。

食事もなるべく添加物を使用していない自然な味付けのものを選んであげると、皮膚が脂っぽくなるのを防ぐことができます。

そのためにはバランスの良い食事を心がけて、サプリメントなどを上手く活用してみます。

ダックスフンドのマラセチア外耳炎まとめ

ダックスフンドがマラセチア外耳炎になってしまった際の対処方法について紹介しました。

マラセチア外耳炎はかかると独特のベタベタした耳垢が出るため見た目にも痛々しいですよね。再発のリスクもあるので、早めに対処してあげたい病気です。

炎症が侵攻すると歩行異常になり、腰に負担がかかることにもなります。特に胴長短足なダックスフンドはヘルニアにも注意したいです。

しかし、早期発見できればすぐに回復することが可能になります。再発しやすい外耳炎ですので、日頃の換気と状態チェックが鍵になりますね。

ダックスフンドを飼育している方、マラセチア外耳炎にお困りの飼い主さんの参考になれば幸いです。

執筆者:國澤莉沙先生

愛玩動物飼養管理1級、ホームドッグトレーナー1級、小動物看護士等の資格を所持。

つくば国際ペット専門学校・ドッグトレーナーコースを卒業後、つくばわんわんランドの飼育員として5年間勤務。現在は主婦として、育児をしながら動物系の記事を執筆しております。猫・犬ともに大好きです。

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