猫の口内炎の症状、原因、治療法や予防する5つのポイント【ペットアドバイザー執筆】

猫の口内炎とは

執筆者:大柴淑子(おおしばしゅくこ)

元動物看護士・ペットアドバイザー

疾患の概要

口内炎とは、歯肉や口腔粘膜に起こる炎症性疾患を言います。私たち人間と同じように、猫もさまざまな理由で口内炎になるのです。慢性歯肉口内炎と呼ばれるほか、難治性口内炎、リンパ球性プラズマ細胞性歯肉炎、慢性潰瘍性歯周口内炎など、色々な呼び方があります。

口内炎と一口に言っても、私たちと同じように口の中のあらゆる場所で炎症が起こります。頬の内側はもちろん、歯肉や舌、唇、喉の近くの咽頭や上あごなど、どの場所でもできる可能性があります。原因によってできる場所も変わり、その原因や形状によって呼ばれ方も変わってきます。発熱やだるさのように、多くの疾患でみられる症状の一つです。

口内炎はかかりやすい猫種があるわけではなく、以下の原因によってどんな猫でも起こる可能性があります。老齢の猫は抵抗力が下がるため口内炎にかかりやすいと言えますが、若齢であっても起こる症状です。

原因

口内炎の原因となる病気は以下に分けられます。

感染症によるもの

ウイルス感染による病気の症状の一つとして口内炎を発症します。主に以下の病気でみられます。
・猫免疫不全ウイルス(FIV)
・猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウィルス感染症)
・猫白血病ウイルス(FeLV)
・猫カリシウイルス感染症
これらの病気は予防接種で防ぐことができるため、一生かからない猫もたくさんいます。また別の病気にかかり治療中に免疫力が低下しているために感染する場合もあります。

免疫低下によるもの

免疫力が下がり粘膜に炎症が起こりやすくなって起きる口内炎です。上記の病気も免疫力が低下したために感染する場合もありますので、免疫力と感染は密接だと言えるでしょう。他にも糖尿病による免疫力の低下で血管炎症が起こり口内炎を発症することもあります。原因となる病気がこれだけたくさんあると、口内炎という一つの症状で原因を探ることは難しいと言えます。

歯周病によるもの

歯石の溜まり過ぎによって粘膜が刺激され、炎症が起きるものです。歯石は食べかすではなく細菌が集まってできたものですので、常に細菌がたくさん住んでいる口腔環境になっていると考えます。当然炎症も起きやすくなり、口臭もすでに出ている場合が多いでしょう。

栄養不足によるもの

猫は体質上ビタミンを体内で合成することができません。食事で取らなければならず、そのために犬のように雑食ではなく肉食のまま進化しているのです。肉類に含まれるビタミンAが不足すると粘膜が弱ってしまうため、口内炎ができやすくなります。全身の粘膜が弱り傷つきやすくなりますが、毎日何度も物が入ってくる口の中はそれが刺激となるため、特に傷つきやすく炎症が起こります。

外傷によるもの

硬いものを誤って口の中に入れた時に傷つき、そこから口内炎ができてしまうことがあります。電気コードや尖った物をいたずらした時や、誤って薬品を誤飲した時、熱いものを口に入れてやけどを負った時など、飼育中の事故によるものです。

症状

口内炎ができると、以下のような症状がみられます。

・炎症部分が赤く腫れただれる

・腫れた部分が潰瘍(クレーター状)になる

・唾液が飲み込めずよだれが増える

・痛みのため飲み込めなくなる

・痛みのため変な鳴き方をする

・痛みのため気性が荒くなる

・唾液に出血が混じる

・食欲が落ちる

・硬い食べ物を拒否する

・口臭が強くなる

・舐める行動をしなくなる(毛づくろいなど)

炎症が起こるとひどい痛みのために猫が神経質になり、機嫌が悪く振る舞いまで荒くなってしまいます。口を触らせなくなるため確認するのは難しいですが、口腔内のトラブルを感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。

検査・治療法

検査

口内炎が何によるものかを見極めます。上記の原因のようにウイルス感染が疑われる場合は検査をしますが、まずは食餌をさせ栄養や水分を適切に摂れるようにするために、炎症症状を抑えなくてはなりません。炎症を抑制するための対症療法をおこなうと同時に、他の症状があればそれを元に原因となる病気を探っていきます。また歯周疾患でないか、口腔内の検査もおこない、重篤であれば抜歯の見極めをおこないます。

治療

原因によって治療法もさまざまですが、対症療法と根本治療を組み合わせて行うことが多いでしょう。治療には猫自身の体力が必要です。まずは食餌ができるように痛みを取り除くことが第一と考えます。

投薬治療

ウイルス性疾患や免疫低下であれば、大元となるその疾患の治療をおこなうことで、症状の一つである口内炎も治まってきます。原因となる病気の治療は根本治療であり、口内炎への直接的な処置ではないため、レーザーなどの対症療法を組み合わせて痛みを取り除く治療も同時に行います。口内炎の炎症症状に対しては、炎症を抑える薬を服用することもありますが、服用をやめるとぶり返すことも多々あり、根本治療が難しい場合もあります。

歯周病治療

歯周病が原因となっている場合は、歯周病の治療をおこないます。全身麻酔をかけて歯石を除去し、歯肉炎の治療もおこなっていきます。歯周病や歯肉炎の原因となったものが食餌であれば改善のため、歯石がつきにくい食餌に変更することが求められます。治療後は定期的に口腔環境のチェックや歯石除去に通うと、繰り返して症状が出ることも少なくなるでしょう。口腔内が、歯が残せないほどの重篤な状態になっている場合は、抜歯をすることもあります。抜歯は臼歯をすべて抜く場合と、全部の歯を抜く場合があります。異常のない健康な歯を抜歯することは体にリスクのある行為でもありますので、慎重におこなう治療となります。

栄養補給

口内炎によって食餌量が減っている場合は、自己の免疫力を上げるために栄養剤を投与します。対症療法ではありますが、回復させるためにも栄養は必要なものです。私たち人間と同じように、治療のためにしっかり栄養をつけさせることが優先となります。口から摂取することが難しい場合は点滴を打つこともあります。

レーザー治療

口内炎の患部に直接レーザーを当てて表面を治療する方法です。痛みはなく出血もない方法であるため、麻酔をかける必要はなく、身体に負担がかからない治療法となります。人間の口内炎治療にも使われている方法ではありますが、治療方針などの違いからレーザー治療うぃおこなわない動物病院もあります。

予防法

原因となる病気によって予防法は多岐に渡ります。しかし予防できるものはしておくことが大事。特に直接的なトラブルとなる口腔ケアは必須です。

予防接種

原因となる病気がウイルス感染であれば、それらのワクチン接種をすることで感染を防ぐことができます。特に猫カリシウイルス感染症や猫白血病ウイルスなどは予防接種で感染を防ぐことができる病気です。これらは混合ワクチンに含まれている病気なので、生後2か月程度から一生涯打つことができます。ワクチン接種は義務ではありませんが、子猫のうちから接種をおこなっておきましょう。

歯磨きシートによる毎日の口腔ケア

市販の歯磨きシートを飼い主の指に巻き付けて歯磨きをするお手入れ方法です。口腔内の状態が直接的な原因となることから、口腔ケアは必須と言えるでしょう。歯磨きは急にやろうとしても猫が嫌がりますので、まずはシートが顔の近くにあっても嫌がらないように慣れさせ、慣れたところで口の中に入れるように移行していきます。焦って無理矢理歯磨きを進めようとしてもイヤな感情が残り、猫はシートに不信感を持ってしまいます。シートが口の中に入ることが自然にできるようになるまで根気強くしつけていきましょう。

定期的な歯石除去

歯石の溜まり過ぎによる歯周病は口内炎の原因となるため、私たち人間と同じように定期的に口腔内のメンテナンスをします。全身麻酔をかけておこなうため、頻繁におこなっては体への負担となってしまいます。歯石の原因は食餌の質によるものがほとんどですので、食餌の改善を同時におこないましょう。

食餌の改善

食餌が缶詰やレトルト状のフードの場合、べったりとしていて歯につきやすくなるため、歯石の原因となります。子猫のときからなるべくドライフードを与えるようにしてください。しかしフードを選ぶ時は「歯石のつきにくいフード」を選ぶ必要はありません。プレミアムフードであれば歯石をはじめ内臓疾患全般の考慮がされていますので、プレミアムフードを常食とすれば問題ありません。特別な理由がない限り、缶詰やレトルトのような柔らかくとろりとした食餌は避けておきましょう。他にも「猫には猫専用のフードを与える」という当たり前のルールを守ることが大切です。犬と一緒に飼っている場合、犬のフードを好んで食べる猫もいます。しかしドッグフードはビタミン不足に陥り粘膜が弱って口内炎になりやすくなるのです。これは、犬はビタミンを体内で合成できるためビタミンが多量に含まれることはなく、ビタミンを合成できない猫にとっては必要な栄養素が含まれていないため、欠乏症になってしまうのです。犬のフードは適したものではありませんので、多頭飼いの場合はしっかりとフードの管理をしましょう。

サプリメントの利用

免疫力が低下していると粘膜が弱まり、口内炎になりやすくなります。そのため食事の補助としてもサプリメントを利用し、免疫力の底上げをしておくことが大切です。免疫力が高ければ、常在菌による感染症状なども起きにくくなりますので、他の病気への予防にもなります。

猫の口内炎まとめ

口内炎は口の中という見えにくい場所であるため、気付きにくいのが現状です。痛みがあると猫は食事が摂れず弱ってしまい、症状がどんどん悪化していきます。早期発見のためにも定期的に動物病院で検診をおこないましょう。もし症状が少しでも見られた場合は飼い主の判断で放置せず、早めに動物病院で検査してもらいましょう。

執筆者:大柴淑子(おおしばしゅくこ)

webライターで元動物看護士・ペットアドバイザー。

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