獣医師が推奨する犬用サプリメント(アガリクスなど)を選ぶ4つのポイント【獣医師執筆】

獣医師が推奨する犬用サプリメント

森のいぬねこ病院グループ院長

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会所属

西原 克明(にしはら かつあき)先生

イラスト 犬 サプリ

犬用のサプリメントは年々その種類を増やしており、動物病院でのみ扱われるものから、インターネットやホームセンターで気軽に購入できるものまで、様々なものがあります。しかし、中には同じような成分のサプリメントなのに、価格に何倍もの差があったりします。
そこで今回は、犬のサプリメントの選び方についてお伝えします。

犬用サプリメントの現状

現在、犬用のサプリメントは数多く販売されており、同じような成分のサプリメントでも、中には数十種類の製品が販売されています。中には、同じ成分でも価格が何倍もの差があるものもあります。

実は犬用のサプリメントについては、厳密に品質を取り締まるための法律がないため、現実のところ、ほとんど効果が認められないと思われるサプリメントや、逆に犬の健康に悪影響を与える可能性があるサプリメントも販売されています。

そのため、飼い主の方は「同じ成分なら、どの製品も同じじゃないの?」という考えを捨て、より品質の高い製品を選ぶ必要があります。また、筆者の経験上、同じ成分のサプリメントでは、価格の安い製品にほとんど品質の良い製品は存在しません。

また、大手メーカーのサプリメントが必ずしも良いサプリメントと言えないこともあります。したがって、サプリメントに関しては、決して価格やブランドイメージでは選ばないようにすることが重要です。

良いものと売れているものは違う?

一般的に、飼い主の方がサプリメントを選ぶときに陥りがちなミスがあります。それが、「口コミを鵜呑みにする」「みんなが使っているものを使う」というものです。

実際に筆者の動物病院に来院されている方で、ご自身で犬用のサプリメントを使用している方に、その選択基準を尋ねてみると、「安いから」「ネットで調べた」「店頭で勧められた」というようなケースが多いです。

価格については前述のとおり、安価でクオリティの高い製品は残念ながらほとんどありません。また、インターネット上の情報については、正確な情報が非常に少ないため注意が必要です。

特にサプリメントを販売しているページでは、製品の長所ばかりが強調されているため、製品のデメリットが見えづらく、さらには利用者の声も「使ってよかった」というものばかりで、決してネガティブなコメントが掲載されることはありません。

そのため、インターネットで情報収集する場合は、成分分析の数値などできる限り客観性のある情報を集めた上で判断することが重要です。

店頭で販売されている製品についても、中にはビジネス上の理由から特定の製品を勧めるケースがあります。家電量販店で特定のメーカーの販売員がそのメーカーを強くお勧めするようなイメージです。

ただし、これらのケースについては、決して販売方法を問題視しているわけではありません。しかし、筆者の経験上、犬の健康を願う飼い主の方の本当に欲しいものと、そのホームページや店頭で販売したいものとが必ずしも一致しないまま、セールススキルによって購入しているケースが多いように感じています。そうならないためにも、なるべく飼い主の方がご自身でしっかりと選ぶことをお勧めします。

犬のサプリメントを選ぶ時の4つのポイント

では、実際に犬用のサプリメントを選ぶとき、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。筆者は飼い主の方には、以下の4つのポイントをお伝えしています。
1.成分の品質
2.添加物
3.学術データ
4.続けられるかどうか

成分の品質

実は同じような機能性成分でも、品質に大きな差があります。例えば、犬でも関節をケアするサプリメントがたくさん製品化されていますが、そのほとんどが、「コンドロイチン」や「グルコサミン」を含んでいます。

しかし、これらの成分はほとんど体に吸収されず、たとえサプリメントとして摂取したとしても、ほとんどが体の外へ排泄されてしまいます。したがって、ただのコンドロイチンを摂取しても、まず効果を得ることはできません。

しかし、関節サプリメントの中には、吸収性の良いコンドロイチン(例えばE型コンドロイチンなど)やグルコサミン(N-アセチルグルコサミンなど)を原材料に使用しているものもあります。さらには、実際に関節までそれらの成分が届いているか、あるいは関節炎症状が緩和されているかどうかを研究しているサプリメントもあります。

また、コンドロイチンやグルコサミンのように、特定の機能性成分を抽出して製造されたサプリメントだけでなく、抽出前の機能性成分を含んだ状態の原材料でも、品質に大きな差がみられています。

例えばアガリクスでは、ハウス栽培のものよりも、露地栽培のアガリクスの方が、機能性成分の一つであるβグルカンの含有量が非常に高いことが知られています。さらに、機能性成分の含有量もしっかりと確認する必要があります。

いくら品質の良い原材料を使用していても、機能性成分を含む原材料がわずかしか含まれていないサプリメントでは当然、期待する効果を得ることは難しくなります。

例えば、私が実際の診察でも強くお勧めしているサプリメントの一つにキングアガリクスがあります。キングアガリクスは、犬用のアガリクスサプリメントの中で、唯一、露地栽培のアガリクスを使用しているのですが、それだけでなく、含有量もアガリクス100%となっています。

このように、原材料の品質に加え、機能性成分の含有量が豊富なものを選ぶようにしてください。

添加物

犬用のサプリメントの中には、添加物を含むものも多くあります。しかし、実はサプリメントの機能性成分と、添加物との相互作用については、わかっていないものがほとんどです。

つまり、いくら品質の良い機能性成分を摂取したとしても、一緒に摂取した添加物によって、期待するケア効果が得られない可能性があります。

さらには、ほとんどのサプリメントでは、添加物が一種類ではなく複数種類含まれているのですが、これら添加物同士の相互作用についても実はほとんどわかっていません。

しかもサプリメントは、お薬と違って基本的には長期間服用するものになりますので、筆者はできるだけ添加物が少ないサプリメントを選ぶようにした方が良いと考えています。

学術データ

サプリメントはお薬ではありませんので、厳密に有効性や安全性を研究する必要はありません。しかし、私たちユーザーにとっては、有効性や安全性はできる限り正確に知りたいところです。

実際のサプリメントメーカーの中には、しっかりと学術的な研究を行なっているところもあります。したがって、学術情報が豊富なサプリメントを選ぶことをお勧めします。

学術情報については、ホームページに公開されているものもあれば、獣医師向けの学会で公開されているものもあります。もし身近にサプリメントに詳しい獣医師がいれば、直接尋ねてみるのも良いでしょう。

ちなみに、前述のキングアガリクスは、アガリクス製品の中でも学術情報が断トツに豊富で、その点からも私は多くの飼い主の方に安心してお勧めしています。

続けられるかどうか

犬用サプリメントのほとんどは、長期間にわたって使用することになります。したがって、継続できるかどうかも大きなポイントになります。いくら品質が良いサプリメントであっても、犬が嫌がって飲ませられなかったり、価格がネックになって続けられない場合もあります。

サプリメントはあくまでもサプリメントとして使うことが大切

犬用のサプリメントについては、法律上、医薬品のように明確な効果効能を表示することができません。また、サプリメントは本来、何かしらの症状の改善を狙って使用するものではなく、健康な状態を維持するために使うものです。

したがって、サプリメントを使用しても、一見目に見えるような改善が認められないこともあります。しかしその一方で、サプリメントの中には明らかに症状が緩和されるようなケースがあることも事実です。そして、そのようなサプリメントを使用する際に注意していただきたい点があります。

見た目の変化が得られやすいサプリメントを使用すると、飼い主の方の中には「お薬よりもサプリメントの方が安心だから、症状があっても、薬を使わずサプリメントで治そう」と考えてしまうケースがあります。しかし、サプリメントはあくまでもサプリメントですので、お薬の代わりになるものではありません。

病気に対してサプリメントに頼りすぎると、かえって病状を悪化させてしまい治療品質を下げてしまうこともあります。
病気の症状に対して、サプリメントを使用するときは、必ず獣医師の診断・治療など、適切な医療サポートを受けながら使用することが重要です。

獣医師が推奨する犬用サプリメントまとめ

犬用のサプリメントは非常に多くの種類が製品化されていますが、まだまだ品質に大きな差があるのが現実です。

そのため、サプリメント選びには、品質のチェック、添加物の使い方、学術情報の精査、長く続けられるかどうかというポイントで選ぶようにしましょう。

また病気のケアとしてサプリメントを使用する際には、必ず動物病院の治療への影響について確認しながら使用するようにしてください。

執筆者

西原先生

西原 克明(にしはら かつあき)先生

森のいぬねこ病院グループ院長

帯広畜産大学 獣医学科卒業

略歴

北海道、宮城、神奈川など様々な動物病院の勤務、大学での研修医を経て、2013年に森のいぬねこ病院を開院。現在は2病院の院長を務める。大学卒業以来、犬猫の獣医師一筋。

所属学会

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会、獣医麻酔外科学会、獣医神経病学会、獣医再生医療学会、ペット栄養学会、日本腸内細菌学会

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