トイプードルがかかりやすい皮膚炎とは?原因や症状、治療方法を紹介【小動物看護士執筆】

執筆者:國澤莉沙先生

愛玩動物飼養管理1級、ホームドッグトレーナー1級、小動物看護士

はじめに

動物病院の受診理由として、皮膚炎は愛犬が抱えやすい問題の一つです。人気犬種であるトイプードルはシングルコートのため被毛が他の犬種よりもダメージを受けやすく、皮膚炎になりやすい犬種でもあります。皮膚炎には様々な原因がありますが本記事では、総合的にトイプードルが特にかかりやすい皮膚炎とその対処方法・主な治療法について紹介します。

これからトイプードルを飼育したいと思っている方や、愛犬の皮膚炎にお悩みの方の参考になれば幸いです。

トイプードルの特徴は?

トイプードルは世界を通しても人気の犬種であり、その姿を一度はみたことがあるのではないでしょうか?ドイツが原産の水鳥などを回収する猟犬として活躍してきた犬種ですが、その賢さと可愛らしいふわふわした毛質から愛玩犬としても愛されるようになりました。

特にフランスにて愛玩犬としての需要が高まり、小型化が進み現在のトイプードルのサイズが誕生しました。毛の一部を刈りあげる独特のカットは元々は水中に入った際に水の抵抗を少なくして、心臓などの大事な気管は保護する目的で行われていました。愛玩犬として人気が出てくるとおしゃれの目的で様々なトイプードルのカットが考案されました。

成長しても5キロ前後にしか成長しない小柄な身体と賢く明るく陽気な性格から家庭犬としても人気のトイプードルですが、カット犬種と呼ばれる犬種であり、定期的なカットが欠かせません。独特のクルンとした柔らかめの毛質は毛玉にもなりやすく適切なケアをしなければ皮膚炎になりやすくなります。

早速、次項目よりトイプードルがかかりやすい皮膚炎を紹介します。

トイプードルがかかりやすい皮膚炎とは?

トイプードルは皮膚トラブルが多い犬種であると冒頭で紹介しましたが皮膚炎の特徴をあらかじめ知っていると、早期発見にもつながります。愛犬に異常が見られた場合には早めに獣医さんの診察を受けましょうね。

①アレルギー性皮膚炎

トイプードルがかかりやすい皮膚炎としてアレルギー性皮膚炎が挙げられます。人間にもアレルギーは身近なものですが犬にもアレルギーの症状が見られ、皮膚にアレルギー症状がひどく出てしまうとアレルギー性皮膚炎に発展します。

原因

アレルギー性皮膚炎の原因は食物やダニ、ハウスダストや花粉などのアレルゲンに触れたり、摂取したことが原因で起こります。個体によってこのアレルゲンは様々であり、症状にも多少の違いが見られます。身体の中に異物が入るとそれを除去しようと免疫機能が働き、身体を守ろうとしますが本来身体には無害なはずの物質を異物と認識してしまい、身体の免疫機能が過剰に反応してしまうとアレルギーを発症します。このアレルギー反応が皮膚に起きることをアレルギー性皮膚炎と呼びます。

症状・治療方法

一番のアレルギー性皮膚炎の症状は激しいかゆみです。また、アレルゲンにふれてから短時間のうちに症状が現れます。手足や顔まわり、目の周りに赤く発疹ができることもあります。また、激しいかゆみからかき壊してしまい、出血や傷ついてしまう危険もあります。かき壊してしまうと感染症にかかってしまい、新たに皮膚炎を併発する恐れもあるので注意が必要です。

主な治療方法はアレルゲンを徹底的に除去して触れさせないようにします。血液検査を行うことでアレルゲンの特定が可能であり、アレルゲンを早期に特定することが症状を悪化させないためには重要です。

かゆみなどの症状が強い場合には、抗ヒスタミン剤の投与や重度場合には、ステロイドを併用してかゆみを沈静化させながら治療を行います。ステロイドの使用には抵抗のある飼い主さんもいるかと思いますが正しく使えばステロイドは効果が大きいです。獣医さんと相談してみると良いでしょう。また、感染により患部から出血などが見られる場合には抗生物質入りの外用薬や内服薬を用いて治療を行います。

また、食物アレルギーがある場合にはアレルゲンを除去したアレルギー用のドッグフードへ切り替えが必要です。最近ではアレルゲンになりやすい穀物類を使用していないグルテンフリーのドッグフードや低アレルゲン食材として注目されているラム肉を主原料としたドッグフードなど、アレルギーに配慮した商品が多く販売されていますので、獣医さんと相談してうまく取り入れることもポイントです。

②マラセチア皮膚炎

マラセチア菌という真菌の一種が原因で起こる皮膚炎ですが、犬の皮膚炎としとはポピュラーであり、トイプードルもかかりやすい皮膚炎になります。酵母菌でもあるマラセチア菌によって、独特のにおいがある皮膚炎のため発見しやすい側面があります。

原因

真菌の一種である酵母・マラセチア菌が皮膚上で異常繁殖することによりかかる皮膚炎です。マラセチア菌はもともと犬の皮膚にいる常在菌であり、健康な犬の場合にはなにも問題はありませんが、なんらかの理由で皮膚のバリア機能が低下してしまうとマラセチア皮膚炎になります。

バリア機能が低下する理由は免疫系の病気である甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症や腫瘍、老化などがあげられます。そのため普段から栄養バランスのとれた食事を摂取するようにして抵抗力のある身体づくりをすることが大切です。

症状・治療方法

主な症状は脱毛や皮膚のベタつき、フケなどが見られます。また、酵母菌の一種であるマラセチア菌が繁殖することで独特の発酵したにおいがします。かゆみも強いため愛犬のかき壊しによる二次感染に注意が必要です。好発部位は全身に症状が現れますが、頭部や背中、お腹や四肢に多く見られます。また、目の周りに発症するとかいた時に目を傷つけてしまうことがあるので、エリザベスカラーの使用が推奨されます。

主な治療方法はかゆみが強い際にはステロイドなどでかゆみを抑えつつ、薬浴による殺菌と皮膚の菌バランスを整える治療を行います。患部に炎症が見られる場合には先に抗生物質などを使用して、炎症を鎮めてから薬浴をします。

また、甲状腺機能亢進症などが原因の場合にはホルモン剤などを投薬して根本の病気の治療を並行して行います。また、マラセチア皮膚炎は一度なると繰り返すことの多い皮膚炎です。特に梅雨時期や夏場などは被毛に湿気がたまりやすいため菌が繁殖しやすくなるので、注意が必要です。

③脱毛症

トイプードルは遺伝的に脱毛症の起きやすい犬種と言われています。その名の通り身体の被毛の一部が脱毛して抜けてしまうことがあります。また、被毛が抜けた患部が黒く変色したり皮膚が硬質化する、フケやかゆみなどを伴う場合があります。

原因

脱毛症の原因は様々ですが、遺伝的な問題の場合には親犬が脱毛症を発症している可能性あります。また、甲状腺機能低下症や他の皮膚炎にかかると身体のバリア機能が低下してしまい、被毛が脱毛してしまうことがあります。また、意外と多いのはストレスが原因での脱毛です。

また、マラセチア皮膚炎のように皮膚上で菌が異常繁殖を起こすと炎症が起きてしまい、脱毛することがあります。炎症を伴う脱毛はかゆみや膿などの出血を伴う場合があるので、早期の治療が必要になります。

症状・治療方法

脱毛の原因によって様々な症状が見られる脱毛症ですが身体の毛が一部抜ける、または全体に脱毛が見られるなどの症状が見られます。脱毛症の場合には脱毛の原因を探ることが大切です。

ストレスが原因で脱毛が起きている場合には、ストレスの原因を探ってすばやく取り除いてあげる必要があります。また、脱毛してしまった毛を生やすために皮膚のバリア機能を取り戻して菌のバランスを整えるために薬浴を定期的に行うことが有効です。皮膚に炎症やかゆみが見られる場合には、抗生物質・ステロイドを使用して炎症を緩和しながら治療をします。

皮膚炎にならないための対策は?

トイプードルがなりやすい皮膚炎について紹介してきましたができればこれらの皮膚炎を未然に防ぎたいものです。皮膚炎を全体的に予防するための対策を紹介します。

①身体の免疫力を高める

皮膚炎にならないためには免疫力の強い身体づくりが大切です。そのためには適度な運動と栄養バランスのとれた食事が大切ですが、普段の食事からは摂取しづらい栄養素を補うためにはサプリメントが有効です。

身体の免疫力をアップさせる食材として、「アガリクス茸」を使用した商品は栄養価も高く丈夫な身体作りにはオススメです。アガリクス茸には老廃物を吸着して身体からの排出を助ける効果が高いとされています。また、身体に必要なビタミン・ミネラル・酵素が豊富に含まれており、免疫力の向上に効果が期待できます。人のサプリメントにも使用されているアガリクス茸の豊富な栄養素はわんちゃんにも有効です。

②定期的なブラッシングで被毛の換気を

被毛に湿気がたまると菌が繁殖しやすくなります。また、毛玉やフケ、皮脂は菌のエサでありこれらのエサが豊富にあると余計に皮膚炎を発症するリスクが高くなります。

ブラッシングはマッサージ効果もあり、皮膚の新陳代謝を高めてくれるので、被毛の生え変わりを手助けしてくれます。また、古い被毛を取り除くことで被毛が清潔な状態をキープできるのでバリア機能の向上につながります。

何よりブラッシングは愛犬と飼い主さんのコミュニケーションとしても大切です。日頃から身体をさわることに慣れさせておくことで動物病院などの診察をスムーズに行うことができ、愛犬の健康チェックもできるので、異常の早期発見につながりますよ。トイプードルの場合にはトリミングサロンでカットシャンプーを定期的にしてもらい、清潔に保ちましょう。

③飼育スペースを清潔に

飼育スペースが汚いと抜け毛や排泄物などをエサにしてアレルゲンや菌が繁殖しやすくなります。特に愛犬の寝床やトイレは常にキレイにするようにチェックしましょう。飼育スペースを清潔にすることで様々な病気の予防につながります。

飼育スペースの掃除には次亜塩素酸水がオススメです。次亜塩素酸と水しか使用していないため、分解力が高い物質ですが犬が舐めても安全です。また、高い消臭効果が期待できます。

トイプードルがかかりやすい皮膚炎まとめ

トイプードルがかかりやすい皮膚炎について紹介しました。トイプードルは毛玉になりやすい毛質のため、特にブラッシングをこまめに行い被毛の換気に勤めるのがポイントになります。

また、さまざまなカットを楽しめるのはトイプードルの魅力の1つですから、愛犬とのふれあいを楽しみながら皮膚のケアを行うことが理想的です。

執筆者:國澤莉沙先生

愛玩動物飼養管理1級、ホームドッグトレーナー1級、小動物看護士等の資格を所持。

つくば国際ペット専門学校・ドッグトレーナーコースを卒業後、つくばわんわんランドの飼育員として5年間勤務。現在は主婦として、育児をしながら動物系の記事を執筆しております。猫・犬ともに大好きです。

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