犬が怪我をしてしまった時の対処法【獣医師執筆】

犬が怪我をしてしまった時の対処法

森のいぬねこ病院グループ院長

日本獣医学会、動物臨床医学会、獣医がん学会所属

西原 克明(にしはら かつあき)先生

日常生活の中で、犬も思わぬアクシデントでケガをしてしまうことがあります。
今回は、動物病院でよく見るケガについて、その対処方法とともにご紹介します。

よく見る犬のケガとその対処法

爪が折れた

原因
爪が長く伸びてしまった犬で多く見るケガです。お散歩をたくさんする犬では、爪がしっかりと削れるので早々伸びることはありませんが、それでも狼爪(人間でいう親指の爪、地面には着かない)は、定期的にお手入れしないと伸びてしまい、それが折れてしまうことがあります。

動物病院でよく見る爪が折れる場面は、ご自宅のケージの柵に爪を引っ掛けてしまう場合です。外に出たくて、柵に前足を引っ掛けて外の様子を伺う動作の中で、伸びてしまった爪が柵に引っかかり、そのまま折れてしまうようです。

対処法
爪が折れるとかなりの出血があります。出血多量で命の危険が、、、ということはほぼありませんが、多くの飼い主の方は、その出血の量に驚かれます。まずは清潔なガーゼで折れた場所を抑え、少しでも出血を減らしてあげることが重要です。ただし、犬が痛がって触らせてくれない場合もありますので、飼い主の方が噛まれないように注意しながら、その時は軽く覆う程度にします。
その後は動物病院で、折れた爪の処置など治療を受けるようにしてください。大抵は清潔にするために周辺の毛を刈って洗浄し、その後圧迫包帯をして止血します。ほとんどの場合は数時間で出血はほぼ止まりますが、処置した場所を犬が触らないように、エリザベスカラーが必要になることもあります。

また、爪がポッキリ折れてしまう場合も多いのですが、ほとんどはまた生えてきます。

ケンカで噛まれた

原因
ケンカの原因のほとんどは、公園やドックランなど、犬同士が接触する中で、飼い主の方が目を離したすきに起きてしまいます。また、室内でも多頭で暮らしている場合は、突然、犬同士がケンカを始めることがあります。

対処法
ケンカをしている時、飼い主の方が無理に止めようとすると、飼い主の方がケガをしてしまうリスクがあるため、無理はしないようにします。大抵は、犬がびっくりするくらいの大きな音を出したりすると、驚いてケンカをやめることが多いです。

ケンカの傷はほとんどが咬み傷ですが、犬の口には化膿させる細菌がいます。そのため、傷口は小さくても深い傷の場合、数日後に化膿してくることがあるため注意が必要です。2、3日後に傷の周辺が膨らんできたり、熱を持ったりするようであれば、できるだけ早く動物病院を受診するようにしてください。傷口の処置は毛刈りや洗浄が必要で、場合によっては数日間の処置になることがあります。自宅でできることもありますが、犬が痛みのために暴れて処置ができないことも多く、またほとんどの動物病院は抗生物質を使用して化膿を防ぎますので、できるだけ動物病院を受診することが望ましいです。

鼻の擦り傷

原因
犬が何かものを隠そうとするとき、鼻でタオルを動かし、そのものを覆ったりします。その仕草が多いと、鼻が擦れてしまい、擦り傷になってしまうことがあります。
鼻の擦り傷は、ペットホテルなど慣れない環境にいる時、あるいはご自宅でも知らないお客さんがいたりする時など、緊張状態にある時によく見られます。その時にドッグフードを器ごと隠すために、敷いてあるタオルでかぶせようとして、その結果鼻の頭が擦れてしまいます。
対処法
まずはそれ以上悪化させないようにするため、擦る環境を改善することが重要です。食事はその場で食べないようであれば、一旦下げてしまうようにしましょう。
擦り傷自体は、最初出血しますが、ほとんどはすぐに止まり、その後も特に治療は必要ありません。動物病院によっては、抗生物質や皮膚を保護する目的で、塗り薬を使うケースもあります。
ただし、擦り傷の跡は、皮膚の色が周辺と変わってしまうため、傷は完治しても痕跡が非常に目立ってしまうことが多いです。

肉球の火傷

原因
気温が非常に高い日中は、地面の温度も非常に高く、その時に犬がお散歩をすると、肉球が火傷してしまうことがあります。肉球の火傷は、土や芝生よりもアスファルトの方が危険です。

対処法
火傷した肉球は、皮膚がめくれ、大抵は砂などの汚れが付着した状態になっています。犬がおとなしくしていれば、流水で汚れを洗い流してあげましょう。その後は火傷の程度によりますが、そのままで様子を見るケースもあれば、抗生物質の飲み薬や塗り薬、あるいは痛み止めを使うこともあります。さらに重症な場合は、肉球を包帯などで保護することもありますので、一度動物病院を受診することをお勧めします。

骨折

原因
骨折の多くは交通事故です。リードを離してしまった、首輪が抜けてしまった、家から脱走してしまったなどの原因で、犬が勢いよく道路に飛び出し、車や自転車と接触するケースがほとんどです。
また、子犬を抱っこから落としてしまった、家の階段やテーブルから落ちたといった家庭内の事故で骨折してしまう場合もあります。
さらには、ポメラニアンやトイプードルのような、前肢が非常に細い犬では、活発に遊んでいる中で、フローリングで滑ったり、ソファのようにそこまで高くない場所から降りたりしただけで骨折してしまうケースもあります。

対処法
骨折した犬は、大抵は足を地面につけずに上げっぱなしにします。ただし注意が必要なのは、骨折すると痛みはあるはずですが、中には痛がる様子がない犬もいます。ですので、痛みのあるなし関係なく、足を地面につけない状態の時は、なるべく早く動物病院を受診してください。
また、すぐに受診できない時は、応急処置的に副え木を当てることも良いですが、やはり骨折している足を触ると痛がること、固定方法を間違えると逆に足にダメージを与えてしまうことがありますので、できるだけ動物病院に電話で指示を受けるようにしてください。

体のどこかを痛がっている

原因
これは様々な原因がありますが、「抱っこしようとすると痛がるけど、どこを触っても痛い場所がわからない」「じっとして体をこわばらせている」「ちょっとした段差を越えるのもためらっている」といった様子が見られる場合は、背骨に問題があるかもしれません。

対処法
「何か様子が変だ」という場合、無理に動かそうとせず、できるだけ安静を保った状態で動物病院を受診するようにしてください。
また、痛みだけで、元気や食欲、排泄など、そのほかは問題なく、少し様子を見たいという場合も、とにかく安静を保つようにしてください。その後、半日ほどで痛みが消えるようであれば問題ありませんが、痛みが消えない、あるいはすぐ再発してしまう場合は、やはり動物病院を受診することをお勧めします。
背骨に問題がある場合、例えば椎間板ヘルニアでは、あまり様子を見ると症状が進行してしまい、下半身のマヒが見られるようになることもあります。重症化させないためにも、ちょっとした痛みでもしっかりと対処することが重要です。

ケガは予防が一番。日常生活の中で気をつけたいこと

上述のように、犬も日常生活の中で怪我をするリスクがあります。しかも、はっきり言ってちょっとした怪我以外は「動物病院を受診してください」と言わざるを得ません。これは、犬は言葉を離さないため、飼い主の方がちょっとした怪我に気づきづらいことも原因の一つとなっています。つまり、逆にいうとしっかりと予防あるいは早期発見することで、これらの怪我からある程度は犬を守ることができるのです。

例えば爪折れの怪我は、しっかりと日常的にお散歩や爪切りなどお手入れができていれば、かなり防ぐことができます。また、ケンカの予防は普段からのしつけトレーニングや、犬同士のコミュニケーション方法を知ることで大抵は未然に防ぐことができます。そのほかにも、お散歩前の地表温度のチェックや、フローリングなど室内環境の改善、犬の体重管理(=肥満予防)もアクシデントを防ぐには有効です。

さらには近年、こう言った怪我の回復にも、やはり栄養が重要なことがわかってきています。したがって、良質なドッグフードやサプリメントを日常的に取り入れることも、怪我の予防につながると言えるでしょう。

犬が怪我をしてしまった時の対処法まとめ

犬はケンカや交通事故だけでなく、日常生活の中でもケガをする場面があります。しかしそれらのほとんどは、日頃からのこまめなお手入れや環境整備、体調管理によって予防することが可能です。

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