高齢犬・猫 足腰の弱りへの対策
公益財団法人 日本動物愛護協会
相談室長 動物看護士 大橋志保
足腰の衰えからくる転倒や怪我に注意!
医療の進歩や食生活によって犬猫の寿命は着実に伸びています。5月号でもお伝えしたようにJSPCA の長寿表彰でも最高齢は犬猫共に25歳!
犬猫の寿命が延び、老犬・老猫となってからの時間が長くなりました。いつまでも元気で長生きしてもらいたい気持ちは、どの家族も同じです。その元気の秘訣をサポートするために、家族ができることのひとつに「足のケア」があります。
弱りやすい足のサポートをまとめてみました。歩けなくなったり、立てなくなるのは、主に「後ろ足の筋力」の衰えから。そのため、寝たきり予防は後ろ足を鍛えることが重要になります。
■足腰の衰え方の過程…
1.歩いている最中にふらつくようになる
老化による筋肉の衰えから、歩く動作が不安定になってきます。こんな時はハーネスなどを使いサポートしてあげましょう。
また足を引きずって擦り傷を作ってしまうこともあります。そのような時は、犬用の靴下や保護ブーツなどを履かせて予防しましょう。(※ナックリング:足の裏ではなく、足の甲で地面をすって歩く症状)
散歩のコースもアスファルトやコンクリートの道路ではなく、公園や土の道など柔らかいところを選んであげるとよいでしょう。
2.歩くことはできるが、立ち上がることができなくなる
立てなくなっても歩けるときは、立ち上がりをサポートして歩かせてあげましょう。お腹の下に手を入れて、声をかけながらゆっくり立ち上がりをサポートしましょう。
3.後ろ足が弱って、自力では歩けなくなる
このようなときも歩行補助ハーネスが活躍します。前足用、後ろ足用、胴体用など用途に合わせたものを使用して散歩をさせてあげましょう。特に後ろ足は弱りやすく、転倒には注意が必要です。
単に転倒による怪我も心配ですが、何度も転んだり思うように行かない経験をしてしまうと、本人も怖がり歩く自信を失くしてしまうこともあります。
■足腰が弱ってきた老犬・老猫のために…
人間と同じようにバリアフリーを心がけることが大切です。例えば猫のトイレの縁(ふち)が深いとまたぐのが大変になってしまいます。底の浅いものや、犬用の平たいトレイタイプのトイレを用意しましょう。大判のペット用トイレシーツを広げておくという方法もあります。
昨日まで上り下りができていた場所からの立ち往生…楽に上り下りができる工夫や近寄らせない工夫も必要です。
フローリングの床では滑ってしまい、踏ん張りが効かないために歩きにくくなります。足裏の手入れをするとともに、絨毯やマットを敷いてあげましょう。
我家の11歳の愛犬でさえ思い当たる節が多々あり、慌ててハーネスを購入してみました。我家では首輪よりよい!もっと早くから使えばよかった!と思いますが、ハーネス装着は犬種や個体、犬の引っ張り方などによっても賛否が分かれるところです。こればかりは、首輪が絶対に良いとか、ハーネスが絶対に良いという話ではないので、その子にとって最適(快適)と思われたものを使用してみてください。
犬猫の寿命が延びていることに合わせて、介護グッズは進化を遂げながら続々と登場しています。シニア世代を迎え慌てて準備する前に、知識として「こんな介護用品があるんだ」と、調べておくことで老後の負担への不安が解消され楽しくなると思います。
若い時とは違う愛犬・愛猫の老化現象と上手に向き合っていきましょう。一緒に暮らす犬猫が老犬・老猫になることは、さまざまな病気や怪我にも負けず、飼い主さんに大切に育てられた証です。私たち人間と共に老いる犬猫を見守っていきましょう。
*公益財団法人 日本動物愛護協会 相談室長 動物看護士 大橋志保先生 に記事を作成して頂きました。
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