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猫の抜け毛(脱毛症)の原因、治療、対策

動物看護士・トリマー執筆

猫の抜け毛

トリマー 動物看護士

山之内さゆり先生

猫の抜け毛(脱毛症)について

日常生活をしていて当たり前に抜けるような毛なのはみなさんわかると思いますが、病的な抜け毛ってどんな状態なのかをどこで判断したらいいのかってよくわかりませんよね。

 

しかし、それが普通の抜け毛なのかそうでないのかは、毛の抜け方と抜ける部分、そして皮膚の状態を見て判断することができます。

 

ストレスによる猫の抜け毛

例えば、ストレスの抜け毛なら皮膚が赤くなったりフケがでるといった症状はなく、ある一カ所をしきりに舐めることで脱毛してしまいます。

 

特に猫の場合はストレスを受けやすい動物なので、環境が変わったりするとストレスがかかり、部分ハゲのようになることがあります。

 

ですが、ストレス性の脱毛なら本人が環境や状況に慣れてきて、精神的にゆとりがでてきたら自然と落ち着いてくるので優しく見守ってあげましょう。

 

ただし、ストレスでご飯を全く食べず元気もなく嘔吐をするといったような、過度なストレス状態にある場合は一度獣医師に相談することをオススメします。

 

病的な猫の抜け毛

では、病的な抜け毛の場合はどうでしょう。病的な抜け毛だと原因によって抜ける場所が違ってきますし、その原因として主に次のようなものがあげられます。

 

・皮膚糸状菌症

・疥癬

・食物アレルギー

・ノミアレルギー性皮膚炎

 

ひとつずつ簡単に説明をしていきます

 

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症とは簡単に言うとカビです。このカビに感染している動物と接触することで、円形に脱毛して脱毛ヶ所に痒みが出たりかさぶたができます。

 

脱毛ヶ所は背中や手足や顔周りが多くみられますが、感染してる部位が痒くて足や手で掻いてしまい、カビがそこに触れた手足にも感染し、さらに飼い主さんが抱っこしたときに洋服に付着し、その付着したカビが抱っこしたときの背中や腹部などの接触面に感染するといった感染が感染を広げていくような状態になります。

 

疥癬

疥癬はミミヒゼンダニという小さなダニによって、耳や眉あたりに強烈な痒みが生じることで?きむしってしまいます。それほどの痒みですから、爪で耳は傷付き今度は痛みに変わってしまうといった悪循環に陥りやすいです。

 

ただし、疥癬に感染すると黒い砂のような耳垢になるので、耳をひっきりなしに痒がっているようであれば、耳垢をチェックしてみると感染しているかどうかの判断ができます。

 

飼い主さんにも感染するので注意して下さい

ちなみに、この皮膚糸状菌症と疥癬はやっかいなことに人畜共通感染症といって、動物だけではなく人にも感染する病気なので安易に触るのは控え、触ってしまったら必ず周囲を消毒して手を洗うなど徹底してください。

 

食物アレルギーとノミアレルギー皮膚炎

次に食物アレルギーとノミアレルギー性皮膚炎は、その名の通りアレルギー症状による皮膚の炎症や痒み、そして脱毛を引き起こします。

 

食物アレルギーの場合、目の周りや口が赤くなったり、湿疹が出たり、体全体を痒がって毛がたくさん抜けるといった症状がでます。この場合、アレルゲンカットの食事に切り替えてあげると、徐々に症状は落ち着き正常な状態に戻り維持することができます。

 

ノミアレルギー性皮膚炎はノミが感染することで、腹部・首・背中・お尻といった比較的皮膚の柔らかい場所を中心に脱毛や痒みが強く現れます。

 

ノミアレルギー性皮膚炎というと、大量のノミが感染しないとならないだろうといった間違った認識をしている方が多いのですが、実はそうではなく1匹や2匹の感染でもアレルギーが出る場合もあります。

 

食物アレルギーにしてもノミアレルギー性皮膚炎にしても、アレルギーというのはタンパク質に反応して痒みや脱毛などを引き起こすので、どの程度の量でアレルギーがでるかはその子その子によって違います。

 

ですから、ノミアレルギー性皮膚炎の場合はとにかくノミの感染を防ぎ、感染してしまったら駆除・予防することが重要となります。

 

脱毛症になりやすい猫種

猫 メモ

脱毛症になりやすい猫腫が特別いるわけではないのですが、強いていうなら白猫は日光皮膚炎になりやすく、眉あたりや耳が脱毛しやすいと言えます。

 

日光皮膚炎とは紫外線にさらされ続けることによって、毛の薄い所や色素の薄い所が紫外線によってダメージを受けることで、炎症を起こし毛が薄くなったりする皮膚炎です。

 

なぜ白猫が日光皮膚炎になりやすいのか? このメカニズムの詳しいことは分かっていないのですが、白猫はメラニン色素が少ないと言われていて、その影響で紫外線のダメージを受けやすく耳や眉のあたりといった、毛の少ない部分が炎症を起こし脱毛してしまうと考えられています。

 

ひどくなると赤くただれたり、繰り返すうちに皮膚がんになる確率もどんどん上がってしまうので、できるだけ紫外線にさらされないように工夫してあげましょう。

 

また、猫腫ではなく性格的な問題で神経質な子やストレスを感じやすい子は、ストレスが大きいほど過剰に身体を舐めたりして脱毛することもあるので、自分の子がどういった性格なのかを把握しながら、できるだけストレスを与えないようにしていきたいですね。

 

脱毛症の原因

猫困る

なぜ脱毛症になってしまうのか、その原因はさまざまですが大きく分けて、感染症・アレルギー・ストレス・高齢化があります。

 

ストレスや高齢化は、できるだけ精神的な負担をかけないようにしてあげたり、エイジングケアを意識してあげることしかできませんが、感染症やアレルギーは生活の上で予防したり改善することができます。

 

そのためにも、生活環境を清潔に保ったりアレルギー物質となるものをできるかぎり排除するなどして、我が子が気持ちよく生活できるようにしてあげましょう。

 

猫の脱毛症の治療方法

猫 治療

もし感染症による脱毛だった場合は、感染源に合わせた薬を使用することで症状を改善することができます。仮にカビが原因なら抗真菌剤を使用しますし、菌が原因なら抗生剤を使用していきます。

 

しかし、ノミアレルギー性皮膚炎のようにノミという虫の感染が原因であれば、痒みを抑えるために抗炎症剤などを使うだけではなく、同時にノミの駆除をしていきます。

 

ノミの駆除は思っている以上に大変で、1匹見つけたら50個の卵やノミが家にいると思ってください。そして、今いるノミを駆除するだけではなく、次に生まれてくるノミも駆除する必要があります。

 

また、駆除するだけではなく新たに生まれてきたノミがまた感染しないように、常に予防をしておかなくてはなりません。

 

そのために、病院で売られているノミの駆除予防薬を毎月投薬しつつ、生活環境を徹底的に清潔にしてそれを維持し、そのうえで痒みを抑えていくというような流れになります。

 

ノミは見付けたら駆除すればいいと簡単に考えている方もいますが、ノミ1匹で大きな時間と労力を使い、そしてすさまじい痒みと脱毛に襲われるので、しっかり予防してあげてください。

 

食物アレルギーで脱毛している場合は、アレルギー療法食に切り替えてあげることで症状を改善することが可能です。

 

ただし、アレルギー食といってもいろいろなものがあり、いったい何に対してアレルギーを起こしているのかにもよって、合う物と合わない物があります。

 

そのため、数ある食事から1つずつ試してみて症状が改善されていくのか、それとも大して変わらないのかなどを見ていきながら、適したものを選んでいく必要があります。

 

脱毛症のときに気をつけたいこと

脱毛症になったらまず痒みがあるかどうかと、炎症や湿疹があるかを確認しましょう。

 

そして、その原因となるものをできるだけ排除してあげることが大切になります。

 

脱毛症と言うのはただ毛が抜けるというわけではなく、脱毛をする原因が必ずあるので、少しでもおかしいなと感じたら迷わず動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

 

脱毛症がよくなったみぃちゃん

猫 カルテ

みぃちゃんは疥癬が原因で眉のあたりと耳が脱毛してしまい、しかもすごく痒そうでひっきりなしに掻きむしっていました。

 

凄く痒かったため、脱毛をしている部分からは血が出ていたそうでした。治療はとにかくミミヒゼンダニを駆除して痒みを抑えていくことです。

 

一週間おきに耳掃除をして清潔にしたあとかゆみを抑えるお薬を投与し、、ミミヒゼンダニを駆除・予防するスポットタイプのお薬を毎月使って治療を続けていきました。

 

そうした治療を1ヶ月ほど続けたところでだいぶ症状は落ち着き、2ヶ月経つ頃には綺麗な状態に戻っていたので、飼い主さんはもちろん、みぃちゃんも痒みや痛みといったストレスから解放されて、すごくうれしそうでした。

 

脱毛症のチェック法

猫 原因

脱毛症かどうかをチェックするためには、抜け毛の状態だけではなく皮膚の状態もチェックするようにします。

 

皮膚に炎症や湿疹はないか、部分的にごっそり抜けているところがないか、痒がっている様子はないかなどをみていきましょう。

 

もし似たような脱毛がところどころ見られる場合は、カビの可能性もあるのでむやみに触らないように注意しましょう。そして、明らかに不自然な抜け毛であれば早めに動物病院を受診してください。

 

脱毛症にならないために(予防や日ごろのケア)

猫、毛並み

脱毛症には原因がありその原因の症状が脱毛症となっているため、出来る限りの予防をすることで防ぐことができます。

 

カビや細菌は免疫力の低下や感染動物との接触によって引き起ってしまいますが、ノミアレルギー性皮膚炎や食物アレルギーといったものは予防することが可能ですので、ノミの駆除・予防薬を毎月付け、もし心配なら食物アレルギーでなくてもアレルギー食を予防として与えるという方法もあります。

 

幸い猫は自分で毛づくろいをする動物なので、シャンプーやブラッシングを積極的にしなくても比較的キレイな状態でいてくれますが、老猫になってきたら毛づくろいも減ってくるのでお手入れのお手伝いをしてあげるといいですね。

 

こうした予防やケアをしてあげることで、脱毛症を防ぐことができ、仮にそうした症状が出てしまっても原因を絞り込みやすくなるため、その分解決策が早く見つかります。

 

猫はだたでさえストレスに弱い動物なので、余計なストレスを与えないように工夫してあげましょう。

猫喜ぶ

*このコラムは山之内さゆり先生に記事を作成して頂きました。

山之内先生

【山之内さゆり先生】

トリマー、動物看護士

約10年間動物病院でトリマー兼動物看護士として勤務。現場で得た知識と経験を情報として発信し、飼い主さんとペットが幸せに暮らせるためのお手伝いをしていきたいと思います。

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  • 森のいぬねこ病院グループ 院長

    西原克明先生

    獣医師

  • 増田国充先生

    増田国充先生

    獣医師

  • 大谷幸代先生

    愛玩動物飼養管理士

    青山ケンネルスクール認定A級トリマー

    メディカルトリマー

  • 山之内さゆり先生

    動物看護士・トリマー

  • 國澤莉沙先生

    愛玩動物飼養管理1級

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    小動物看護士他

  • 大柴淑子先生

    動物看護士(元)

    ペットアドバイザー