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ミニチュアダックスの指間炎、原因、治療と4つの予防法

動物看護士(元)執筆

執筆者:大柴淑子(おおしばしゅくこ)

元動物看護士・ペットアドバイザー

ミニチャアダックス

疾患の概要

指間炎とはどんな病気?

指の間のまたの部分や爪の周辺部分が腫れてしまう、足先の皮膚の病気です。犬の指は人間のように自由自在に動くものではありませんので、飼い主が見落としてしまうことも多いでしょう。気付いた時には痛みやかゆみに襲われて、嫌がって足を触らせてくれない、なんてことにも。早期発見がカギとなる病気なのです。

なりやすいとされる犬種は

指間炎はミニチュアダックスをはじめ、なりやすいとされる犬種はけして少なくありません。以下の犬種に症状が出やすいと言われます。
・シーズー
・柴犬
・パグ
・フレンチブルドッグ
・ボストンテリア
・レトリーバー
・スパニエル
・ビーグル
と言われています。

この犬種に共通することは「指間部分の毛が多いこと」と「皮脂の分泌量が多いこと」です。この2つの特徴は、指間炎になりやすい条件であり、指間炎を引き起こすマラセチア菌が増殖しやすい条件でもあります。

 

症状

指間炎の主な症状です。

・足先をかゆがって噛む
・足先を気にして頻繁に舐める
・足先から出血する
・足先から膿が出る
・指の間にしこり状のデキモノができている
・足先からフケが出てくる
・指の間が真っ赤に腫れている
・指の間がいつも湿っている
・足先が脱毛する
・傷が膿んで治らず症状を繰り返してしまう

このような症状は、重症化しなければ気付かないことも多いでしょう。特に指の間は手でつかんで開いてみないと見えないものです。しかしよほどでない限り、毎日そうした細かなチェックをすることはありませんし、犬が嫌がればなおさら遠のいてしまいます。そのためある程度症状が進んで初めて気が付く飼い主が多いのです。

特にミニチュアダックスは足も短く、ロングコートであれば隠れてしまうため、飼い主から見ても目立つ部分ではありません。散歩から帰ってきた時に汚れを拭く程度であれば、指間部分に目が届かないこともあります。

しかしミニチュアダックスの視点では、お座りしたりふせをする時に真っ先に目に入るのが「足先」なのです。目の前にあるものは気にしてしまう、そうした私たち人間にも共通した心理が働いて、足先をつい舐めてしまいます。そうした何気ないクセから指間炎が引き起こされているのです。

 

原因

日常に潜む指間炎の原因は、どういうものがあるのでしょうか。以下に挙げてみましょう。

①物理的なもの
生活の中でできた傷によって引き起こされる指間炎です。これは散歩中に起こったケガや、路面によってできた肉球のやけどなど、外傷が原因となっている場合です。犬は靴を履いていませんから、散歩中は裸足のまま。ケガをしても不思議ではないと言えます。植物のトゲや小石、落ちている小さなゴミなど、ケガの原因となるものは、人間と同じでしょう。

これが指の間に入ったら、間違いなく皮膚を傷つけ、刺さってしまいます。しかし私たち飼い主の目線から一番遠い場所にあるのが、足先です。気付かないうちにケガをしているかもしれない、そのような意識を持っておくことが大切です。

②感染によるもの
ケガがなくても、細菌類に感染することで指間炎を引き起こす場合もあります。感染の原因はさまざまで、①のようなケガでできた傷への感染もあります。他にも散歩中に水遊びをして濡れっぱなしになったことが感染の原因となることもあるでしょう。感染に関しては目に見えるものではありませんので、いつもそのリスクがあると言えます。

③クセによるもの
犬にとって遊びとは、ストレスの発散にもなり運動不足の解消にもなります。しかし遊んでくれる相手がいない時や、極度の寂しがり屋の場合、ストレスを解消するために自傷行為に走ってしまうこともあるのです。その一つが「足先の舐めグセ」です。

不安やストレスを解消するためにクセができるということは、人間にもあります。ロングヘアーをつい指で触ってしまうようなものです。同じように、つい自分の目の前にある足先を舐めたり咬んだりすることがクセになりやすいのです。こうしたクセは、引き金となったストレスがなくなっても続く場合がありますので、このクセに早めに気付けるかどうかが大切です。

 

治療法

指間炎の原因は犬によってさまざま。何が発症の原因となったのか、特定することが大切です。

チェック方法

治療方法を定めるために、指間炎となった原因の特定をおこないます。

①細菌・真菌検査
指間炎には上記のようにさまざまな原因があります。中でも見過ごしてはならないのが、感染です。細菌や寄生虫、真菌などが原因となっている場合は、特定し治療をおこなわないことには、いつまでも指間炎は治りません。

まずは細菌や真菌を特定する検査をおこないます。特にマラセチア菌というカビの一種は、指間炎を引き起こすことがとても多い菌です。マラセチア菌はセロハンテープで皮膚や抜けた毛をはがし取り、顕微鏡で観察することで特定できます。また寄生虫の場合も、顕微鏡で見ることで姿を特定できますので、必ずおこなわれます。

②外傷のチェック
ケガによる指間炎だった場合は、傷口への感染が今後も心配されますので、傷がどこにあるのか、何が原因だったのかを目視で確認します。もし原因となったトゲや植物の種、小石などが挟まっていた場合は正体が分かりますので、今後の生活習慣を改めるきっかけにもなります。

③生活習慣のチェック
病気の検査の他にも、原因が普段の生活の中に潜んでいる場合があります。たとえば「普段過ごしている場所が常に濡れている」「水遊びが好きで足がいつも湿っている」というような場合です。濡れていると細菌も増えやすく、傷があった場合は膿みやすくなります。治療をおこなう前に環境要因を調べることも大事な作業なのです。

 

治療

検査をおこない原因が特定されれば治療に入ります。治療方法は原因によっても違ってきますが、いくつかの方法を組み合わせておこなうこともあります。

①薬用シャンプーでの治療
指間の汚れや細菌などを洗い流し、皮膚を正常に戻します。殺菌成分が入っていますので、原因となる菌を殺すことができ、すぐに効果を上げることができるので、かゆみや痛みなどで苦しむ犬には必須でしょう。家でも2~7日に一度シャンプーをおこなって、皮膚を清潔に保ちます。塗り薬を使う場合は、薬用シャンプーの後が効果が出やすいため望ましいでしょう。

②飲み薬での治療
指間炎は文字どおり炎症が起こる病気です。抗炎症剤などを内服して、腫れを早く治めるように治療をおこないます。飲み薬だけでなく、塗り薬も併用して炎症を抑え、さらに原因を取り除くように進めていきます。

③塗り薬での治療
②と同じように、塗り薬で炎症を抑えていきます。塗りやすくなるように指間部分の毛をバリカンで刈る事が多いですが、普段から何度もバリカンを使っていると、皮膚が荒れて指間炎の原因となっていることも多くあります。塗り薬を使う場合は患部をしっかり見極めて、効果が上がるように毛をカットしながら使用します。塗る時も優しく、皮膚に負担をかけないように塗っていきましょう。

 

予防法

指間炎を一度起こしてしまった場合も、まだなったことがない場合も、原因を作らないことが大切です。原因となりそうなものを遠ざけ、指間になるべく負担をかけない生活環境を作ってあげましょう。

足が濡れる環境は避ける
ミニチュアダックスを庭や半外で飼育することは稀ではありますが、外に出ることが多い場合、水でコンクリや床を頻繁に洗い流していると、足が常に濡れたままになる環境を作ってしまいます。掃除のための水は犬がいない時にして、湿気のない乾燥した環境を作りましょう。

犬のために水場を作ったり、水場を散歩コースに入れてしまう人も多いですが、ミニチュアダックスにとっては指間炎のリスクにもなるのだと知っておきましょう。

肉球クリームを使う
指間に限らず、足の裏全体を健康に保つことは、足の病気を防ぐことにもなります。特に肉球はひびが入ったり、傷がついて出血することもありますので、保護クリームなどを塗って日頃からケアをしておきましょう。ペットショップなどで専用のジェルや乳液状のものが販売されていますので、毎日のお手入れに取り入れてみましょう。

足裏の毛をまめにカットする
ミニチュアダックスは指間部分の毛が伸びやすい犬種です。カットしなければ肉球を覆うほどの長さになってしまうことも。そのままでは汚れやすく小石なども巻き込んでしまいますので、定期的にカットして、清潔を保ちましょう。

毛があるということは、それだけ皮膚が弱く、守られるべき部分だということ。指間部分はデリケートな部分でもあるのです。カットの長さは肉球の高さまでにして、毛を刈り込み過ぎないように気を付けましょう。カットのしすぎはかえって指間炎を引き起こすことにもなるのです。

クセで舐めさせない
犬にとっては単なるクセでも、頻繁に舐めるクセがついてしまうと、感染や舐め壊しが起こって、ひどい指間炎を引き起こしてしまいます。舐めるクセはストレスによるものがほとんど。飼い主に構ってもらえない寂しさや、自由がきかない不満などが舐めグセとして現れます。回避するには、クセから気を逸らすために毎日遊んであげることや、しっかり運動させることが大切です。

犬は飼い主を選べません。つまり飼い主次第で健康にもストレスにもなるのです。指間炎の原因が心の問題とならないように、満足度の高い毎日を送らせてあげましょう。

 

ミニチュアダックスの指間炎まとめ

ミニチュアダックスは室内犬として人気の犬種ですが、猟犬としての歴史も長く、家の中でも外でも遊ぶのが大好きな、活発な犬です。そんなミニチュアダックスだからこそ、直接ものに触れる足先は、ケガや病気のリスクが大きいと言えます。足回りのケアをしておくことで、安心して運動させることができますので、定期的なお手入れで健康な毎日を過ごしましょう。

そして少しでも異常が見られた場合は、すぐに動物病院へ相談しましょう。指間炎を悪化させず、また再発させずに長く過ごすためには、動物病院でのプロケアも重要です。犬も飼い主もストレスなく、楽しい毎日を目指しましょう。

執筆者

大柴淑子(おおしばしゅくこ)

webライターで元動物看護士・ペットアドバイザー。

専門記事は犬猫から魚類・昆虫まで!楽しいペットライフのための、分かりやすくためになる記事を書いていきます。

 

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  • 森のいぬねこ病院グループ 院長

    西原克明先生

    獣医師

  • 増田国充先生

    増田国充先生

    獣医師

  • 大谷幸代先生

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