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ラブラドールレトリーバーの指間炎、免疫力の低下が原因?

動物看護士・トリマー執筆

執筆者:山之内さゆり先生

動物看護士・トリマー

ラブラドール

 

元気いっぱいでまるで大きな子供のようなラブラドールレトリーバーが実は指間炎になりやすいのをご存じですか?

 

もしかしたらあなたの愛犬もすでに指間炎に悩まされていたり、気付かない間に指の間や足の裏を舐めているなら、その原因は免疫力の低下にあるかも知れません。

 

そこで、今回はラブラドールレトリーバーは指間炎になりやすいのか?免疫力の低下が原因になっているのか?その疑問を解決していこうと思います。

 

ラブラドールレトリーバーは指間炎になりやすい?免疫力の低下が原因かも?

ラブラドールレトリーバーは指間炎だけでなく皮膚トラブルを起こしやすい犬種であることは間違いありません。

 

特に食物アレルギーや脂漏症、マラセチア皮膚炎に悩んでいるラブラドールレトリーバーは多く見かけますし、実際にそれらの治療で来院するケースが多いのです。

 

そして、指間炎は日常的なトラブルといえるほどちょっとしたことで発症してしまうので、頻繁に起こる指間炎に悩む飼い主さんも少なくないのです。

 

では、なぜ指間炎がそう頻繁に起こってしまうのか?その原因はもしかしたら免疫力の低下にあるかも知れません。

 

免疫力は体の内側から外側まですべての健康のために必要なものですが、この免疫力が低い状態だとちょっとした刺激がもととなって指間炎を引き起こすことがあります。

 

また、免疫力が低いことでトラブルを引き起こすと治りにくく悪化しやすいといった悪循環にもなるので、できるだけ免疫力は高い状態をキープしてあげたいところですね。

 

ラブラドールレトリーバーが指間炎を繰り返さないための免疫力アップ方法

ラブラドールレトリーバーが指間炎を繰り返したりなかなか治らない場合、一時的な治療だけではなく根本的に体質を変えてあげる必要があります。

 

体質を変えるというのはすなわち免疫力アップをしてあげるということ。免疫力アップというとちょっと難しく聞こえるかも知れませんが、決して難しいことをするわけではないので安心してくださいね。

 

では、具体的にどのような方法で免疫力アップができるのかご紹介していきます。

良質なドッグフードを与える

今低価格で原料名が○○類といった記載がされているドッグフードを与えているのであれば、それは免疫力アップどころか逆に免疫力低下につながるため切り替えることをおすすめします。

 

私たち人間の体も食べたものによって体の元気も肌艶も髪の艶も変わってくるように、ラブラドールレトリーバーも食べたものがどんなものかによって全然違ってくるんです。

 

特に毎日の食事は健康を作る土台になるので、その食事であるドッグフードが低品質なものだと当然強い免疫力を作りことはできません。

 

免疫力をアップさせたいのであれば、まずは毎日の食事から良質なものを選んであげることがベストです。

 

選ぶ基準としては、一番最初にやめた方がいいとお伝えしたものと逆のものを選ぶようにします。

 

原料名は『鶏肉・サーモン・りんご・ほうれんそう』といったような明確な記載がされていること、そして価格は1kgあたり1000円以上のものです。

 

無添加のものになってくるとさらに値段は上がり、1kgあたり1500円以上のものが一般的になってくるでしょう。

 

今までそこまでお金をかけていないという方にとっては目が丸くなるような値段かもしれませんが、痒みによるストレスを抱えながら生きなければいけない状況を少なくすることができるなら、決して高すぎる値段ではないと思います。

 

もし、自分でそうしたドッグフードを探すのが大変というときには、動物病院でスキンケア用のドッグフードを処方してもらうのもおすすめです。

 

ただ、一度獣医師に相談・診察をしてもらう必要があります。というのも、スキンケア用のフードにも処方食というものがあり、これは一般食としても利用することはできるのですが、特別な疾患を患っていないという診断なければ使うことができないのです。

 

こういうとちょっと堅苦しそう、敷居が高そう、といったイメージがついてしまうかも知れませんが、動物病院は病気のときだけでなく愛犬が健やかに過ごすために気軽に相談してもらってOKな場所なので、どんどん利用してくださいね!

 

免疫力に特化したサプリメントを使う

もし、現在食材や無添加にこだわったドッグフードを与えていたり、それこそ動物病院からスキンケア系のドッグフードを購入しているという方もいるかもしれません。

 

ただ、それでもたまに指間炎になってしまうことがある、まだコンディションとしては不十分、という場合は免疫力に特化したサプリメントを使ってみるのもおすすめです。

 

サプリメントにもたくさんの種類がありますが、ドッグフードと同じで良質な原料を使ったサプリメントを選ぶことがとても重要になります。

 

そのため、値段も極端に安いものだと原料に問題がある可能性が高くなるので、手の届く範囲で良質なものを選ぶようにしましょう。

 

個人的に使ってみてよかったと感じたサプリメントがありますが、それはキングアガリクス100のサプリメントです。

 

無添加なので体にも優しく原料もアガリクスだけなので、味も癖がなく飲みやすい印象です。

 

なにより、薬が苦手な子でも素材の味なので嫌がることなく食べてくれるのは大きなポイントと言えます。

 

他にもいろいろなサプリメントがありますが、見付けるのが大変という方はまずは試しにキングアガリクスを使ってみてはいかがでしょう。

 

また、動物病院で相談してみるのもいいですが、サプリメントについては前向きな獣医師とそうでない獣医師といるため、一概に動物病院で相談とは言い切れません。

 

もし相談するのであれば、できれば皮膚疾患に得意な動物病院で相談することをおすすめします。

 

ホームページやブログをしている動物病院であればそこから確認もできますし、問い合わせてみてみるのもいいですね。

 

ただし、サプリメントは薬ではなくあくまでも食品です。よく、即効性や短期間での効果を期待する方がいますが、納豆が体にいいと聞いて納豆を食べてすぐに変化が出るなんてことないですよね。

 

それと同じで続けることで初めて小さな変化を感じるようになっていくので、まずは1ヶ月を目安に続けてみましょう。

 

また、変化の感じ方もそれぞれなので見た目の大きな変化は感じなくても、「以前よりもなんだか活発になった気がする」「被毛の艶が出てきた気がする」など『気がする』くらいの僅かな変化があれば大丈夫ですよ。

スキンケア特化の保湿系シャンプーを使う

今までご紹介した方法は体の内側からの免疫力アップの方法です。

 

体の内側からの免疫力アップは体質改善につながるので是非取り入れてほしい方法ではあるものの、いきなり食事を変えるのは大変、サプリメントもちょっと考えたい、という方は保湿系のシャンプーを使った外側からの免疫力アップがおすすめです。

 

もちろん、内側と外側からのダブルケアができればベストですが、そんなに簡単にはできないということもありますよね。

 

では、保湿系のシャンプーがなぜ外側からの免疫力アップに効果的なのかというと、それは皮膚のバリア機能に関係があります。

 

皮膚のバリア機能が弱まっている状態というのは皮膚の免疫力も弱まっていることを意味します。

 

この弱まった皮膚のバリア機能を強化するには、まず何より皮膚に潤いを与えてあげることが大事です。

 

潤いを与えるのであれば、外側からのケアが効果的なので、そこで使いたいのがアミノ酸など高保湿成分を主成分にしたシャンプーです。

 

普通のシャンプーは保湿を目的としているのではなく、洗浄を目的として作られているので指間炎など皮膚トラブルを抱えているときに使うとダメージを受けやすくなります。

 

人も手が乾燥などでダメージを受けているとき洗い物をすると、全て洗い終わる頃には肌がカサカサになってかゆみが生じることがありますよね。

 

それと全く同じような状態が皮膚に悩みを抱えたラブラドールにも起こってしまうので、潤いを与えながら余分な汚れだけを落としてくれるものが必要なのです。

 

アミノ酸は体を構成する成分と同じものなので馴染みもよく、しっとりと洗いあげることができます。

 

合わせて洗い流さないコンディショナーも使うとより効果的で、与えられた潤いを逃さずさらに潤いが持続します。

 

ただし、主成分にアミノ酸と記載されているから大丈夫というわけではなく、選ぶ際は品質が確かなものを選ぶようにしてください。

 

成分記載というのはとても単純で、たとえ水で薄められていたり質が良くないものであっても、アミノ酸というものが使われていれば記載できてしまいます。

 

値段と品質は比例するもので、しっかりとした成分をあるべき量で配合されているのであれば、一般的なサイズ(250ml)で2000円近くはするでしょう。

 

シャンプーでそんなに?!と驚くかも知れませんが、ダメージを受けた肌を強化し免疫力をアップさせることを目的とした場合、1回660円程度でケアができるなら安い方ではないでしょうか。

 

毎日のランチやおやつにかけているお金を、少しだけ悩みを抱えている愛犬に使ってあげてみてください。

 

そうすれば、きっと今よりも穏やかでストレスのない日々を過ごせる可能性が広がるはずです。

 

ラブラドールレトリーバーは指間炎になりやすい?免疫力の低下が原因かも?まとめ

 

ラブラドールレトリーバーは皮膚トラブルを抱えやすい犬種であるため、結果的に指間炎にもなりやすいです。

 

また、指間炎は小さな傷やバリカン負けといったから起こることももちろんありますし、ストレスで舐めることで発症することもありますが、免疫力の低下があるとそれだけでトラブルの原因にもなるため、まずは何より免疫力のアップが大事です。

 

だからこそ、ドッグフードやサプリメント、保湿系のシャンプー・コンディショナーを上手に利用して、体の内側と外側からの免疫力アップをしてあげましょう。

 

執筆者

山之内さゆり先生

トリマー、動物看護士

10年間動物病院でトリマー兼動物看護士として勤務。

現場で得た知識と経験を情報として発信し、飼い主さんとペットが幸せに暮らせるためのお手伝いをしていきたいと思います。

 

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  • 森のいぬねこ病院グループ 院長

    西原克明先生

    獣医師

  • 増田国充先生

    増田国充先生

    獣医師

  • 大谷幸代先生

    愛玩動物飼養管理士

    青山ケンネルスクール認定A級トリマー

    メディカルトリマー

  • 山之内さゆり先生

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  • 國澤莉沙先生

    愛玩動物飼養管理1級

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  • 大柴淑子先生

    動物看護士(元)

    ペットアドバイザー