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ポメラニアンをマラセチア皮膚炎になりにくくする免疫力アップ方法

動物看護士・トリマー執筆

執筆者:山之内さゆり先生

動物看護士・トリマー

ポメラニアンは皮膚疾患を抱えやすく、なかでもマラセチア皮膚炎に悩まされるケースは少なくありません。

ですが、ポメラニアンの免疫力を上げることができれば、何もしないときと比べてぐんっとマラセチア皮膚炎になりにくくなるのです。

そこで、今回はポメラニアンをマラセチア皮膚炎になりにくくするための免疫力アップ方法をご紹介します。

 

ポメラニアンをマラセチア皮膚炎になりにくくする免疫力アップ方法

ポメラニアンがマラセチア皮膚炎になるときは、皮膚の免疫力が低下しているときです。

マラセチア皮膚炎を引き起こす原因となっているマラセチア酵母菌は、もともと皮膚に存在する常在菌と言われるもの。

本来は特に害を及ぼすことはないのですが、皮膚の免疫力が低下することで過剰に増殖し、マラセチア皮膚炎として悪さをするのです。

そこで、ポメラニアンがマラセチア皮膚炎になりにくくするためには、まずはなにより免疫力を上げることがとても大事。

そして、免疫力アップ方法は大きく分けて2つ、外側からと内側からの免疫力アップ方法があります。

 

マラセチア酵母菌の増殖防止!シャンプーで皮膚免疫力アップ

外側からのケアとして有効なのが、シャンプーを使った皮膚のケアです。

マラセチア皮膚炎になっていないからと油断は禁物。

もしかしたら、徐々に皮膚の免疫力が低下しじわじわとマラセチア酵母菌が増殖しだしているかも知れません。

 

しかし、それは普通のシャンプーでケアをしていた場合起こりやすい可能性でり、皮膚の免疫力に配慮したシャンプーを使うことでその可能性を大きく下げることができます。

シャンプーにもいろいろな種類がありますが、選ぶとしたら保湿をメインにしたアミノ酸やセラミドといった、高保湿系のシャンプーです。

特にアミノ酸を主成分とするシャンプーは、必要な皮脂は残し余分な汚れを落としながら潤いを与え閉じ込める、といった働きをしてくれるので、皮膚がデリケートな子はもちろんそうでない子でもおすすめです。

また、薬用シャンプーにも皮膚疾患の予防として使えるものがいくつかありますが、その子の皮膚の状態や体質などによって使えないこともあるため、薬用シャンプーを選ぶ際は必ず獣医師の診察と判断が必要です。

 

こうした皮膚に限りなく配慮したシャンプーを使うことでなぜ皮膚免疫力のアップに繋がるのか?

それは、皮膚が保湿されることで皮膚のバリア機能が高まるからなんです。

皮膚のバリア機能が高まることで外部からの刺激に強くなり、肌荒れを起こしにくくなります。

肌荒れを起こしにくいということは、皮膚の免疫力アップを意味するため、マラセチア酵母菌の過剰な増殖を抑えやすくなるのです。

 

洗い流さないコンディショナーで更に潤い持続

保湿系のシャンプーと合わせて洗い流さないコンディショナーを使うのもおすすめです。

シャンプーをしたあとにリンスやトリートメントで潤いをプラスしますが、密着した潤いを与えるなら洗い流さないタイプのコンディショナーが効果的。

しかも、洗い流さないタイプなので保湿クリームのように日常のケアとしても使うことができます。

 

皮膚に潤いを与えるだけでなく、被毛も保湿されるのでしっとりとしながらふんわりとした肌触りとなり、ついついあのふわふわの毛にかおを埋めたくなるほど。

また、被毛がそれだけ保湿されていれば静電気も起こりにくいため、毛玉や毛もつれにもなりにくく取れやすいというメリットもあります。

皮膚のバリア機能だけではなく、そうした日常のお手入れの面でも効果的なので、ぜひ保湿に特化したシャンプーと洗い流さないタイプのコンディショナーを一緒に使ってみてください。

 

良質なドッグフードで細胞レベルの免疫力アップ

可愛い我が子同然の愛犬に与える毎日の食事は良質なものだと言えますか?

もし、愛犬に与えているドッグフードが良質なものなのかどうかわからない、良質なものだと言えない、ということであればあまりよろしくありません。

 

健康と食事は切っても切れない関係にあり、どんなものを食べたか?どんな原料からできたものか?それらによって、ポメラニアンの体質が良くも悪くも大きく影響していきます。

例えば、毎日バランスの良い食事を食べていたとしても、使っている食材が鮮度の落ちたものばかりで、中には腐りかけてたり傷んでいるものだったらどうでしょう?

そんなものを毎日食べていて健康的な体が作られるでしょうか?

 

答えはNOですよね。

一方、同じようにバランスの良い食事で、こちらの場合は全て新鮮な食材が使われている。

そして、時には季節の野菜や果物も取り入れられており、鮮度が落ちたものは一切使用していない食事だったらどうでしょう?

 

食事バランスはもちろん鮮度の高い食材が使われていることで、それを取り入れた体もエネルギーが満ち溢れ元気になっていきますよね。

良質な食材からできた食事は細胞レベルで体を元気にしてくれるので、おのずと免疫力も高くなります。

そして、体の免疫力が高くなれば当然皮膚の免疫力もアップするので、マラセチア皮膚炎になる可能性を低くすることができます。

 

良質なドッグフードは原材料が明確なものを選ぼう

では、いったいどのようなドッグフードを選ぶと良質なドッグフードだと言えるのか?

ここはとてもシンプルで、パッケージの裏に記載されている原材料を見ると簡単に判断することができます。

 

原材料が『○○類』といったように、不明確な記載であればそれはNGです。

値段も恐らく低価格でお財布にはとっても優しい安さとなっているでしょう。

そういったドッグフードは、だいたい1kgで550円や600円台といったものが多いと思います。

今ご自宅で与えているドッグフードはどうですか?

ぜひ原材料からまずは確認してみてください。

 

では、良質なドッグフードは原材料がどのように記載されているのかというと、『鶏肉、サーモン、りんご、とうもろこし、ほうれん草』といったように、食材名が明確に記載されているものです。

○○類となっていたとしても括弧書きで詳細が記載されているものも大丈夫です。(例えば、ビタミン類(A,B,E)といった記載)

値段は1kgあたり1000円以上はしますし、これが無添加やオーガニックといったものになれは1kgあたり1500円以上が当たり前となってきます。

 

安くていいものがあればもちろんそれにこしたことはありませんが、かけられてる手間暇と使われている原料を考えたとき、本当に低単価でそれらを得ることができるでしょうか?

当然それはゼロに近いレベルで難しいことですよね。

 

毎日のことだからこそ費用を抑えたい部分ではあると思います。しかし、それをし続けた先で待っているのは免疫力が低下し、マラセチア皮膚炎だけでなく、さまざまな病気に侵されやすい状態の愛犬の姿です。

薬で解決することができるものもありますが、できることなら薬に頼る前に患いにくい健康的な体質でいさせてあげたいですよね。

そうした意味でも、もし今与えているドッグフードが良質なものと言えないのであれば、少しだけでもいいので、ワンランク上のドッグフードも考えてみてください。

 

免疫力アップに特化したサプリメントを使う

体の内側からの免疫力アップとしてもうひとつ付け足したいのが、免疫力に大きく働きかけてくれるサプリメントです。

乳酸菌やきのこなどを主成分にしたサプリメントが多く見られますが、ここでも気にしてほ/しいポイントが原料の質です。

 

サプリメントというとどうしても薬と似たイメージが付きがちですが、サプリメントは本来の形を変えた食品であることを認識しなければなりません。

つまり、どんなに良さそうなキャッチコピーがされていても、使われている原料の質が悪ければ室の悪い食事を与えてるのと同じことなのです。

それではせっかくのサプリメントも意味がなくなってしまうので、サプリメントを選ぶ際も良質な原料が使われているものを選ぶようにしましょう。

 

おすすめとしては、キングアガリクス100のサプリメントです。このサプリメントは無添加のアガリクスのみを使用しているので、体に優しく飼い主さんも一緒に使うことができるほど。

動物病院で相談してみるのもおすすめですが、あまりサプリメントに対して前向きでない先生だったり、免疫力をサポートするサプリの取扱いをしていない動物病院もあるため、必ずしも動物病院なら解決というわけでもありません。

 

もちろん考え方のひとつなので前向きでない先生がいてもおかしくはないですが、せっかく試してみようと思った前向きな気持ちを否定されてしまったら悲しいですよね。

ただ、実際通っている動物病院の先生がどうなのかは相談してみないとわかりませんので、一度免疫力アップのサプリメントについて相談をしてみて、あまり前向きでない場合はお試しでキングアガリクス100を使ってみるのもおすすめですよ。

 

ポメラニアンがマラセチア皮膚炎になってしまったときの対処法

ポメラニアンがマラセチア皮膚炎になりにくくするための免疫力アップ方法をご紹介しましたが、万が一マラセチア皮膚炎になってしまったときはどのように対処したらいいのかもお伝えします。

まず、マラセチア皮膚炎を引き起こす場合は免疫力の低下がありますが、その免疫力低下を引き起こしている大きな原因が潜んでいるはずです。

その大きな原因を基礎疾患というのですが、この基礎疾患を治療・解決しなければマラセチア皮膚炎を何度も繰り返してしまうので、獣医師の指示に従って基礎疾患の治療も合わせて行うようにしてください。

 

基礎疾患が内臓疾患なのかまた別の疾患なのかは、血液検査など何かしら検査をしなければ分からないこともありますが、マラセチア皮膚炎だけに対して対処するのであれば内服薬と薬用シャンプーでケアをすすめていきます。

内服薬と薬用シャンプーによって内側と外側から増えすぎたマラセチア酵母菌を減らし、肌の状態を整えて治療をすすめていくことで一時的に状態を改善することは可能ですが、基礎疾患をそのままにしていてはその先に対して意味をなさないので、先述したように合わせて治療をすすめるようにしましょう。

 

そして、基礎疾患の治療もすすめながら今後の体質改善の意味で免疫力アップをはかっていくといいでしょう。

 

ポメラニアンをマラセチア皮膚炎になりにくくする免疫力アップ方法まとめ

今回は、ポメラニアンがマラセチア皮膚炎になりにくくするための免疫力アップ方法を主にご紹介しました。

免疫力を高めるためには、良質な原料が使われた質の高いドッグフードの利用・免疫力アップが期待できるサプリメントの利用・保湿力に優れ皮膚のバリア機能を高めるシャンプー・コンディショナー利用がおすすめ。

しかし、これらをすべて取り入れるには難しい場合もあると思います。

 

そんな時は、一度に全部やろうとするのではなくサプリメントから始めてみたり、ドッグフードだけ変えてみたり、何か一つだけ取り入れるだけでも全然違ってきます。

そして、万が一マラセチア皮膚炎になってしまった場合も基礎疾患と合わせて治療をしながら、今後に備えて免疫力アップをしていくとまたマラセチア皮膚炎になってしまった…ということが減るので、一時的なケアではなく継続的なケアを続けていきましょう。

 

 

執筆者

山之内さゆり先生

トリマー、動物看護士

10年間動物病院でトリマー兼動物看護士として勤務。

現場で得た知識と経験を情報として発信し、飼い主さんとペットが幸せに暮らせるためのお手伝いをしていきたいと思います。

 

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  • 森のいぬねこ病院グループ 院長

    西原克明先生

    獣医師

  • 増田国充先生

    増田国充先生

    獣医師

  • 大谷幸代先生

    愛玩動物飼養管理士

    青山ケンネルスクール認定A級トリマー

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  • 山之内さゆり先生

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